181.頼もしいダーリン ページ39
誰もが動けないでいた。
電伝虫で何かオーブンが話してるみたいだけど、私の位置からは何も聞こえない。
何かゲラゲラと笑ってるみたいだけど…。
「ベッジ!!俺だ!!オーブンだ!!!」
島の拡声器からオーブンの声が轟く。
拡声器って事は…近くにベッジが来てるんだ。目を凝らすと港の方に船が見える。
「今 "カカオ島" にて共犯者シフォンを捕らえた所だ…!!俺は法に忠実な男!!妹だとて躊躇などしない。そのまま真っ直ぐ港に上陸し降伏しろ」
抵抗したらシフォンさんは殺される。でも…捕まってもどうせ殺される。
どっちの選択をしたって、先に待ってるのは死しかない。
それをシフォンさんもわかってる。会話に割って入って、逃げろと必死に叫んでいた。
「ママに嫌われて…!!あんた達だけが本当の家族だった!!だからいつか…!!私の "仇"を討ってよ!!!」
「余計な事を喋るなシフォン!!」
「きゃあ!!」
遠い記憶の自分と重なるシフォンさんの記憶。
単純な自分に笑っちゃうけど、ここで死なせるわけにはいかないと思う。
「オーブン!!やがて港だ!!言う通りに上陸する。もうシフォンに手を上げるな…!!」
ベッジの性格上、素直に言う事を聞くわけない。きっと何か仕掛けてくる。
どんどん近付いてくるベッジの船、それより早くオーブンにたどり着いた…
「!!!」
ベッジの弾丸。
着弾して爆発した弾の威力に体が後に倒れ、落ちていくオーブンの体めがけてピンポン玉くらいの炎を一発放った。
「Bingo!!」
更に吹き飛ばされるオーブン。少しは時間稼ぎになるだろう。
壁にめり込んだ姿を見届けて、サンジ君のところへ走った。
「ナイスベッジ!!」
「あァ!どう出る?付き合うぜベッジ!!」
ベッジの船は減速する事無く真っ直ぐに突き進んでくる。このままだと乗り上げるし、船から降りて全面戦争でもするつもりなのか。
緊迫する敵、そして私達。でも、シフォンさんだけは大丈夫だと、確信してる顔だった。
「カッコイー!!」
乗り上げた船を狙い撃とうと敵が更に集まってくる。
そんな敵を嘲笑うように船の側面についたパドルがキャタピラに変化した。地面を揺らし、敵を踏み潰しながら船が突き進んでくる。
「聞いた事ねぇぞ!!?そんなギミック!!」
「言った事ねぇからな!!裏切ると決めてる奴らに手の内を明かすかァ!!」
そりゃそうだ。
「やるじゃん、シフォンさんのダーリン」
「当たり前じゃない」
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時