179.阻まれる進路 ページ37
ケーキを荷台に乗せて運ぶ準備は終わった。
荷台を引くロープは、大きな大きな…恐らく乗ってるボールも入れたらビル2階程度の高さになりそうなオットセイに括り付けた。
私達とサンジ君は、一緒に荷台の後ろに乗り込む。
「道を空けてみんな!!港にケーキを運ぶから!!」
プリンの声に集まっていた人達が、歓声をあげながら左右に分かれて道を空ける。
その中にはケーキを作り上げたプリンやシフォンさん、コックさん達の称賛の声も混じっていた。
「旦那様なぜ変装を?」
「照れ屋なんで」
口元を布で隠しても、君の最大の特徴である眉毛が丸見えだぜという言葉は飲み込んだ。
ちなみに、私も布で顔を隠している。
あとは港に向かうだけだと思っていたが、身を乗り出して前を見た時、現れた変なヘアスタイルが目を引く大男の姿に舌打ちをしてしまう。
「待て待てプリン!」
「オーブン兄さん!道を空けて!!」
なんとか大臣のオーブンが腕を組んで行く手を阻んでいた。
ここでの戦闘は避けたい。うまく丸め込んでくれよープリン…。
「食いわずらいのママは、この島で迎え撃つ聞いてるぜ!?」
「ケーキは船上で完成させて、海上でママを止めるわ!!この "ショコラタウン" に暴れるママを上陸させるつもり!?」
ド正論でオーブンに言い返すプリン。
うまく逃げられそうだ。頑張れー!
「ペロス兄さんと連絡を取れば、海上で合流出来る!!」
「成程、確かにそうだ。了解した妹よ!通れ」
「よかった。ありがとうオーブンお兄ちゃん」
シフォンさんが笑顔でお礼を言うのと同時に、サンジ君と「イエーイ」とハイタッチ。
いやぁ、ヒヤヒヤしちゃった…。
「だが、シフォン」
オーブンがシフォンさんを指差した。
「お前はここまでだ!!」
「きゃあ!!」
「シフォン姉さん!!」
シフォンさんがオーブンに胸ぐらを捕まれ、そのまま地面に叩きつけられた。
咄嗟に飛び出そうとする私の腕を掴んだサンジ君は、首を横に振る。…そうか、ここで私達が戦ったらプリンが反逆者になっちゃうんだ。
「ケーキを港に行かせてやれ!!」
「はっ!!」
シフォンさんを置いて、荷台が進んでいく。
どうしよう…サラマンダーはさっき帰しちゃったし…。また呼ぶにも材料が…。
「家族であろうと反逆の罪は重い!!!」
「シフォン姉さん!!やめてよオーブン兄さん!!!」
プリンの声が飛んでもオーブンの手が止まる事は無い。
サンジ君の顔にも焦りの色が浮かんでいた。
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時