174.嫌がらせ ページ32
アヤメside
「こちらジェルマの船、ヌストルテだ…!!」
ニジという男が高く高く積み上げられた敵兵の山の上で敵と通話している。
四つ子と言うだけあって、少しサンジとにおいが似ているけど性格は真逆だ。でも、強い。人間だと甘く見ていた。
「1万の兵で叩き潰した。国は壊滅状態であるからして!!」
優しい手つきで撫でてくれるレイジュを見上げると、ふわりと笑う。
この人は丁重に扱えと頭首様には言われてるから何もしないけど、他はうっかり殴っても怒らないと思うんだ。
「余計な加勢だぜ。なんで来たんだ」
「そりゃあ、野暮な質問だ緑の兄さん。アンタ達への嫌がらせに決まってらァ」
面白くなさそうにヨンジの口元がへの字になる。ヨンジの言葉に笑みを深めながら、朱色の持ち手がオシャレな煙管を口に咥えてアタシに向けてきた。
「まぁ、いいじゃこざいやせんか。13年前、本来なら殺し合うはずだった勢力が力を合わせるのも乙なもんだ」
口から軽く火を出して煙管に火をつけると、磯撫が深く煙を吸い込んで長く煙を吐く。
「13年前?」と繰り返したレイジュの隣に、ドカリと磯撫が座った。
「頭首殿は別の世界の存在でね。ジェルマに総攻撃をかけ、おたくの三男坊を連れ出す為に世界を渡りやした。石を壊されて年代がわからなくなっちまって、13年後になりやしたがね」
そう言っても、特にイチジやヨンジの顔に変化は見られなかった。別の世界という事を馬鹿にされるかとも思ったけど、あの光景を見て否定する方がおかしいと2人の冷え切った頭は判断したみたいだ。
「頭首様がサンジに渡した石を壊したの野郎3人だろ。腹は立つけど、あんた達が壊さなきゃ今の頭首様は無いからね」
「あァ、頭首殿は死んでた」
レイジュがサンジと似ている眉を寄せて、首を傾げた。
まぁ、そりゃそうか。頭首様の周りをちょこまかする子供を見たとき、アタシ達もその不思議な縁に驚いたんだ。
「麦わらの一味はどうなった?」
<実は出航を許しちまった!>
聞こえてくる敵の報告に磯撫とハイタッチをした。今どきそうするんだと頭首様から教わったやつだ。
<西へまっすぐ逃げている所。まぁ、あっちも時間の問題だ>
イチジがマントを翻した。
「行くぞ!!艦を出せ!!」
磯撫はその言葉に合わせて立ち上がると、レイジュに手を差し出した。
「よろしければ、そちらさんのチビ助とうちのお嬢の懐古談でもいたしやしょうか?」
「素敵、お願いするわ」
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時