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172.緊急事態 ページ30

荷物運びをしていると、コックさんが工場中に響き渡るような大声で「大変だ大変だ」と騒いでいる。
そのコックさんにプリンが駆け寄ると、何があったのか聞く前にコックさんは早口でまくし立てた。


「燃料が底をついています!火が使えません…!!」
「なんですって!?」
「麦わらの一味の侵入によって物資の運搬が止まっており、直ぐには…」


皆んなの顔が一気に青ざめる。
でも、料理を作る上での一番大切であろう火が使えなくなっても、サンジ君は諦めてはなかった。


「誰か薪をかき集めてこい!」
「今からですか!?」
「いいから動け!間に合わなくなるぞ!!」
「まぁ、待ちなさいって」


サンジ君の肩を叩くと、もう私が何をしようとしてるのか予想をつけたらしく
私に「ダメだ!」と言う気満々の顔で開こうとする口を片手で塞いだ。


「違う違う。プリン、ここに余りそうな食材ってある?」
「倉庫にあるわ」
「OK!余りそうなの、ここに集めてくれる?」
「わかった!コックさん達も手伝って!!」


コックさん達が倉庫の方へ消えていく。私とサンジ君もその後に続いて、倉庫から食材を運び出した。
余りって言うから、あんまり無いかなと思ったけど充分な量だ。これくらいあれば、助けてくれるだろう。


「おい、時間が無いんだぞ!何をする気だ!!」
「シャラーップ!うるさいよコックさん」


積み上げられた食材の前に立って、意識を集中させる。


「サンジ君、一発だけ許して」
「は?」


一瞬、工場中を私の炎がまわった。
私の炎の性質を知らないコックさん達やプリン、シフォンさんは驚いたけどサンジ君は気にせず私に近付いてきた。もちろん怒って。


「俺はまだ許可してねぇぞ!!」
「ごめん、淀んでるところを嫌うから綺麗にしたの。料理を作る環境としても良いと思うよ」


食材が積み上がっている手前の床にチョークで扉の絵を描いた。観音開きの……絵心が無いからチープな扉だ。
そこをコンコンとノックして、後は招きの言葉を言うだけ。



「"いらっしゃい"」



バコンッとその扉が開いて、小さな太陽の様な光がいくつも飛び出してくる。
その光が食材に群がると、一瞬で食材は燃え尽きて灰も残らなかった。そして、鈴が転がるような可愛らしい声が重なるように聞こえくる。


『美味しーい!!』
『この島いつも気になってたけど近付けなかったからなー!』
『ここは綺麗だね!』
『ここは住み良いね!』


炎を纏う小さなトカゲ。サラマンダーだ。

173.サラマンダー→←171.調理開始



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設定タグ:ONEPIECE , サンジ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時

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