【2018年 ホワイトデー特別篇/トレクルのホワイトデーサンジ君の絵柄ネタ】 ページ24
「A」
「……」
サンジ君の格好を見て言葉を失った。
いつも通りのスーツだけど雰囲気が違う。ワイシャツに黄色のネクタイまではいい。そこに、紺色のベストを着て白いジャケット…細身の黒いパンツ。
そして、ダメ押しの濃いオレンジの眼鏡。
「……どっ…どうしたの、おしゃれ番長じゃん」
「行くぞ」
「行くって…どこに?」
「島しかねぇだろ」
私はサンジ君からドタドタと不格好に距離を取って、慌てて柱のて陰に隠れた。
それが気に食わなかったのか、サンジ君の眉間にギュムッとシワが寄る。
「無理無理ィ!!!今のサンジ君の隣に並べる服なんて持ってないよ!!!」
「なんだそりゃ…」
「嫌だー!!動きやすい服しかないー!!」
今だって黒のパーカーにジーンズなのに!…っと反論する前にズルズルと船から降ろされてしまった。
……
「あの…これ……」
サンジ君が私から視線を逸らして、力強く親指を立てた。
高そうな服屋さんの試着室。そこで、今まで着た事がない女の子らしい格好を私はしていた。
白い肩出しのブラウスに、淡い栗色のロングスカート…白いサンダル。
「全部買う」
「かしこまりました」
「ちょっ…サンジ君!?」
会計を済ませて店から出るサンジ君を追って、外に出ると少しイライラした顔でビシッと私を指差した。
「クロ。Aは俺が守る、お前は船に戻ってろ」
『こっちこそ、御免こうむる』
「へ…?」
私の体から出たクロ様が船に向かって飛んで行く。
え、何。何もついて行けてない。ていうか、守るって何。照れる。これは照れる…!!
クロ様が見えなくなったのを見計らって、サンジ君が手を差し出した。
「お返しをさせてください。マドモアゼル」
「え…あぁ!ホワイトデー!」
サンジ君の大きな手が私の手をすくい上げる。
「今日は、Aをレディーとして扱うよ」
「…嫌だ」
モヤモヤとした気持ちをそのまま、言葉にしてぶつけると
サンジ君が目を丸くした。
「だって…他の女の人と同じ扱いって事でしょ?だったら…嫌だ」
サンジ君の手をキュッと握って俯くと、深く深くため息をつきながらサンジ君が片手で顔をおおった。
その頬は、薄らと赤い。
「ホントにお前は…」
「っ…」
サンジ君の腕が私の体にまわり、肩口に顔を埋められる。
顔なんて見えないけど、サンジ君が小さく笑った気配がした。
「いつも通りな」
「うん!」
サンジ君はずっと、特別扱いをしてくれている。
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時