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158.食いわずらい ページ13

「おい、キングバーム」


誘惑の森を薙ぎ倒しながら進むキングバームの上に肌を焼くような熱と目が眩む程の光を放つ、鮮やかな赤い球体の炎が近付いていた。


「ママを裏切ったな…」
「…プ!!!プロメテウス様!!!」


プロメテウスはそのまま真下へゆっくりと、でも絶望的な圧力を持って降りてくる。


「無理だ逃げろォー!!」
「キングバーム!」
「A無理だ!!」


皆んなが一斉にキングバームから飛び降りる。
サンジ君は私を横抱きにして飛び降りると、そのまま走り続けた。
私達の背後でズンッという火とは思えない重い音がして、その音に背後を見ると鮮やかな炎の中でキングバームや周りの木々が燃え上がっている。


「木ー!!!」


鮮やかな炎を背負い、こちらにゆっくりと向かってくるビッグ・マムは恐怖以外の何者でもない。
やっぱり、さっきまで戦ってたビッグ・マムと違う…。こんな殺気じゃなかった。


「ビッグ・マム…やっぱりおかしいよ。さっき戦った人と同じとは思えない」
「食いわずらいじゃ!」


この世界の用語なのかと思ったけど、ルフィも知らないビッグ・マム固有のものみたいだ。


「癇癪じゃ!!食いたい物を口にするまで辺り構わず暴れ続ける…!!」
「!?」


ビッグ・マムはひたすら、ウェディングケーキと言いながらゆっくりと向かってくる。


「意識はほぼ無い。今回のお題は、どうやらウェディングケーキ!!結婚式のケーキを食い損ねたのが原因か…!!」
「ルフィ!!あんたがケーキ壊すから!!」
「作戦は成功したろ!!」


皆んなが行く手を阻む木々を破壊しながら進んでいく。
私だけが何も出来ずに、サンジ君に抱えられたままだ。


「しかしあんなうめェケーキは、そうはねぇぞ!!」
「作戦中食ってたのかよ!!」


私を抱えたままサンジ君が木の顔面に蹴りを叩き込んで粉々に破壊した。


「私も食べた!!おいしかったー♡」


目を輝かせてキャロットも話に乗ってくる。
そんな事より私を抱えたまま走るサンジ君にどのタイミングで降ろしてもらうかが重要だ。


「どうせAも食ってたんだろ」


あのケーキの味と小さい時食べた、殺意の味を思い出して苦しくなる。


「嫌な味した…」
「!」
「色んな人の悪意とか…殺意、とか…」
「言わなくていい…!」


辛そうな顔をするサンジ君は、私が何を思い出しているかわかっている。


「俺が、クソうめぇケーキ作ってやる!」
「うん…っ」


母親に死を願われた日を。

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設定タグ:ONEPIECE , サンジ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時

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