157.誘惑の森 ページ12
「そしたら、毎日『ブラックボール』食べさせたげる!」
「えー!?ホントにー!?どうしようどうしよう」
ナミの提案にゼウスは揺れる。割と本気で揺れている。
サンジ君の目は相変わらずハート型だけど、私とジンベエさんは呆れ顔でその様子を眺めていた。
「ボスへの忠義はないのか」
「扱いやすくていいね」
更にナミはゼウスに近付いてダメ押しの褒め殺しに入る。
その笑顔が嘘か本当なのかわからないけど、黒く見えてしまうのは何故だろうか。
「あんた、空を覆う程おっっきい雷雲になれるもんね!カッコよかったなー♡」
「ひゃー!ホント!?おいらそんなにホメられたの初めてだ♡」
ゼウスが素直な子だから、子供を騙す悪い大人にしか見えない。
「凄い慣れてるけど、ナミって元詐欺師?」
「シシシッ、泥棒だ」
「不二子ちゃんだぁ」
私が苦笑いをこぼしたのと同時に背後からズゥンと重い地響きが聞こえた。
その音に後ろを振り返ると、追い付いたビッグ・マムが仁王立ちで立っている。
「"誘惑の森" ィ〜〜〜!!!そいつらを止めなァ〜〜〜!!!」
誘惑の森の木々や地面がその怒声にビクリと震え上がり、ギシギシと音を立てて船への道を閉ざし
さっきまでの光景が嘘のように鬱蒼とした森に早変わりする。
「うわァ!!厄介な森に戻ったー!!」
「…!?蹴散らしてまっすぐ進めばいいんじゃねぇのか??」
焦るルフィに対し、この森を経験していないサンジ君が不思議そうに首を傾げる。
私もこの森を経験したわけじゃないから、ルフィが厄介だと頭を抱える理由がわからない。
「無理なの!そうやって暴れてる内に…右も左もわかんなくなっちゃう森なの!!」
「!?」
キャロットが眉を下げて、クリクリとした目を潤ませる。
なるほど、それだと力づくとはいかないか…。術者を倒せば、こういうのは効力がなくなるけど…無理だよな。
「ああ、この森は人間を弄ぶ…!!」
少しだけなら大丈夫。
何かしなきゃ…何か。
「やめろ」
「!」
掴まれていない手に揺らめく炎をサンジ君が見ていた。
反論を許さない声音に炎は手から消えていく。
「でも…っ」
「大丈夫だ」
サンジ君の手が頭に乗った。
「女王の号令にはワシも敵わんジュ!……だが」
キングバームが森の悲鳴を上げる木々を蹴散らしながら前へ進んでいく。
「どけぇー!ここで死ぬわけにはいかんのだジュー!!」
戦うな、力を使うなって皆んな言うけど…本当にそれでいいのかな。
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時