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41.ハッピーエンド ページ41

…あれから数日が経った。
この島に無事にルフィという、麦わらの一味の船長が来た。
イヌアラシ公爵のところにいたみたいだけど、今こちらへ向かっているらしい。


「早く目を覚ましてよ…ペコムズ」


私はネコマムシの旦那のいるクジラの森でペコムズが目覚めるのを待っていた。
小さいサンジ君が私に教えた話じゃ詳細がわからない。アンタから話しを聞かなきゃいけないんだよ…。
サンジ君を助けるにしても、情報が無さ過ぎる。


「もう…あの時みたいに、ヴィンスモークを潰せば済む話しじゃなくなってるんだから……」


頭を抱えたとき、ビクンッとペコムズの身体が跳ねた。
驚いてペコムズに視線を向けると、ビクビクと細かく痙攣を始めている。


「ちょっ…ちょっと!死なれちゃ困るんだって!!」


周りには誰もいない。
誰かを呼びに行っても、間に合うとは思えなかった。


『おい!何する気だ!!』


クロ様の声が頭に響いたけど無視してペコムズの頭の上に手をかざした。


「私の気を送って治癒力を活性化させるだけ。大丈夫、1週間分くらいだから」
『百年近く生きる人間の1週間と1年程度お前の1週間は同じではないぞ!!』
「1年じゃないよ」


四皇のビッグ・マムそしてカイドウ…サンジ君が気を使って話さなかった色んな話を聞いた。
この世界の人達の強さは…異常だ。もう最終手段を使うしかない。それは、私の命の終わりを意味している。


「サンジ君を連れ戻して、私の人生はハッピーエンドだよ」


淡い光がペコムズを包むと、ペコムズの呼吸が落ち着いてきた。痙攣も収まったようだ。
ふぅ、と安堵の溜息は途中で止まる。ギュウッと心臓をねじ切られるような痛みに呼吸が詰まった。


「ぐっ…うぅ……」
『A!』


掛け布団を指先が真っ白になるくらい強く握る私の手をモフモフとした手が掴んだ。


「お前は誰だ。どうしたガオ」


ペコムズが私を見ている。
良かった、目を覚ます程度には回復したみたいだ。
私が何者なのかという疑心と、でも苦しそうにしているから心配という2つの感情の間で困っている。


「っ…大丈夫。私は…ゲホッ、麦わらの一味の知り合い」
「あぁ、そうだっか」


続けて話そうとしたペコムズの言葉が止まり、ドアの方を見ている。私もそれに倣って後ろを向くとナミと麦わら帽子を被った男の子が立っていた。
皆の話を聞いていると、ホントにそんな人が船長なのかと思ったけど…。
なるほど、その器がある人だ。

42.麦わら帽子の船長→←40.力不足



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設定タグ:ONEPIECE , サンジ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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Sae(プロフ) - 銀之助さん» 返信ありがとうございます!これからも銀之助さんのペースで頑張ってください!応援しています。 (2022年5月8日 13時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - Saeさん» 原作沿いとは言え悩んだ展開だったので、こうやって褒めていただけるとがんばって考えて良かったと思えます。更新が止まっておりますが、また細々と頑張っていければと思います。ありがとうございます。 (2022年3月10日 3時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - Saeさん» お返事が遅くなってしまって、すみません。お褒めいただいて、ありがとうございます。こちらこそ、読んでいただいて本当に嬉しく思います。元々夢主ちゃんを死なせるつもりはなかったのですが死の運命は奇跡ではなく彼らにひっくり返して欲しかったのでかなり悩みました (2022年3月10日 3時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - 銀之助さん» 銀之助さんの作ったストーリーや文章の表現力にはほんとに感動させられました!こんな素敵な作品を作って下さりありがとうございます。誰目線だよって感じになってしまってすみません💦 (2021年11月24日 19時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - 銀之助さん» 返信ありがとうございます!だいぶ遅くなってしまいました💦そうなんですね、私は夢主ちゃんとサンジくんがどうなってしまうのかハラハラしながら読んだので、正直ほっとしてしまいました笑辛い別れもありましたが、心は傍にいるような感じがして素敵だと思いました! (2021年11月24日 18時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年1月9日 20時

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