33.ラブソング ページ33
サンジside
「ナミすぁぁん！♡3時のおやつですよぉぉー！♡」
「ありがと、サンジ君」
「いえいえそんなぁ♡ナミさんの為ならなんでも作りますよ♡♡」
嗚呼！今日もなんて美しいんだーっ！
ナミさんの手にあるだけでイチゴのタルトが輝いて見えるぜ。
いいBGMも流れてて、全てがナミさんを美しくしている！！
……BGM？
「まさか、Aにあんな才能があったなんてねぇ」
ほぅ、とナミさんが感嘆のため息をもらす。
木陰でブルックのギターを伴奏にAが歌っていた。
周りには沢山のミンク族が集まって、歌に聞き入っている。
「あの時に歌ってた葬送歌をちゃんと歌えなきゃ、頭首として締まらないってお婆さんに叩き込まれたらしいわ。ボイストレーニングもしたんだって」
「へぇ…」
俺の前で…歌なんか歌った事なかったのにな。
つまらない嫉妬がチリッと胸の奥で燻っているのに気付いて、自嘲の笑みを浮かべた。
「ちょっと、呼んでくる」
「はいはい、可愛い彼女を迎えに行ってきなさい」
「ナ…ナミさん」
いたずらっ子のように笑って、ナミさんは早く行けと手を振る。何もかもお見通しみたいだ。
俺はナミさんに急かされるようにAのところへ向かった。
「〜♪」
漠然と聞こえていた歌詞がはっきりと聞こえてくるようになった。
優しいバラードは、穏やかな午後によく合っていた。
じゃれて 寄り添って また眠る
あなたが頬を突き 起こす朝
How are you getting along these days, baby?
わたしに懐いた野良猫
誰か見知らぬ人が来ると 隠れて低い声で唸る
How are you getting along these days, baby?
あなたが噛んだ牙の跡
優しく、物悲しげな歌声に声をかけられなくて俺もその場で歌に耳を傾けていた。
しばらくして歌が終わるとパチパチと拍手が起こり、満足そうに笑ったAの視線が俺を捉えた。
「…なんで顔赤いんだ？」
「赤くないよ」
そう言って視線を逸らす。
「ご所望のアイスが出来た、行くぞ。ブルック、ケーキがあるからお前も食えよ」
「ほーい」
「ヨホホ、頂きます」
周りにいたミンク族にも声をかけて、Aの手を引いて歩く。
チラッとAに視線を落とすと顔は赤いままで、目はウロウロとさ迷っていた。
「照れてんのか？」
「照れてないっ…！」
うぅ…と小さく唸って手を握る力を強くするAを見て、これは自惚れていいのか？と、ほくそ笑んだ。
君を想って選んで歌ったラブソングだったんだ。
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Sae(プロフ) - 銀之助さん» 返信ありがとうございます！これからも銀之助さんのペースで頑張ってください！応援しています。 (2022年5月8日 13時) (
レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - Saeさん» 原作沿いとは言え悩んだ展開だったので、こうやって褒めていただけるとがんばって考えて良かったと思えます。更新が止まっておりますが、また細々と頑張っていければと思います。ありがとうございます。 (2022年3月10日 3時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - Saeさん» お返事が遅くなってしまって、すみません。お褒めいただいて、ありがとうございます。こちらこそ、読んでいただいて本当に嬉しく思います。元々夢主ちゃんを死なせるつもりはなかったのですが死の運命は奇跡ではなく彼らにひっくり返して欲しかったのでかなり悩みました (2022年3月10日 3時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - 銀之助さん» 銀之助さんの作ったストーリーや文章の表現力にはほんとに感動させられました！こんな素敵な作品を作って下さりありがとうございます。誰目線だよって感じになってしまってすみません💦 (2021年11月24日 19時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - 銀之助さん» 返信ありがとうございます！だいぶ遅くなってしまいました💦そうなんですね、私は夢主ちゃんとサンジくんがどうなってしまうのかハラハラしながら読んだので、正直ほっとしてしまいました笑辛い別れもありましたが、心は傍にいるような感じがして素敵だと思いました！ (2021年11月24日 18時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀之助
| 作成日時：2017年1月9日 20時
