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20.その方が可愛い ページ20

サンジ君が元の世界に戻ってから2日。
サンジ君が作ってくれた常備菜を食べながら過ごしていた。


「あー、ちょっと焦げちゃったなぁ」


ちょっとずつ自分でも料理はするようになった。
また、カップ麺とコンビニ弁当生活してましたなんて言ったら確実に怒られてしまう。


『A』
「クロ様ぁ、私これからご飯でーす」


私の背中からスルリと出てきた大きなカラス。
でも、驚く事じゃない。私と5歳の頃からの付き合いの八咫烏のクロ様だ。
12匹いるとされてる八咫烏の内の1匹らしいが、消えかけてるところを私の身体を住処として提供する事で助けた。


『あの童に渡した、私の炎で創った石が砕けた』
「え!?」


ちょっと待ってよ!砕けたら場所わかんないじゃん!!
私が立ち上がった反動で椅子が勢いよく倒れた。


「世界の特定出来ないの!?」
『世界の特定は可能だが時間と詳しい場所の特定が不可能だ』


ピンポイントで私が会った後のサンジ君のとこに行けないって事かぁ。
サンジ君探してる間に死んじゃうかもな…。


「地球近日点って年イチだよね」
『そうだ。太陽が最も地球に近付く時でないと世界を渡る事は出来ない。年に1度ずつやり直すというやり方も取れるが…お前にその時間は無い』
「だよね…」


私にとっては次の近日点がラストチャンスだ。
一か八かやってみるしかない。


「やるだけやってみよう。それと次の近日点まで時間あるから準備運動させてくれる?クロ様を戦闘で使った事ないし」
『お前の身体では寿命を縮めるぞ』
「別にいい」


クロ様は実体が無いから私の身体の中に入って、私の身体を操って戦ったり能力を使う。
実際にどこまで動けるかも知りたいし、サンジ君の世界の人達の強さも未知数だ。
把握はしておいた方がいい。


「最終手段を使う事も視野に入といて」
『何故そこまでする』


最終手段を使ったら…もたないと思う。
病気ってだけじゃない。あれに耐えきれる純粋な血統はもう、だいぶ昔から絶たれている。


「だって、サンジ君は笑ってた方が可愛いもん」


だけど、命を賭ける理由なんてこんなもんで充分だ。
ふふっと笑うとクロ様も表情をほころばせる。


「ごめんね、クロ様。一緒に消えてくれる?」
『元々その予定だ。それが早まっただけの事』
「そっか」
『A』


一度言葉を区切ったクロ様は穏やかに笑う。


『お前と出会えて、私はとても楽しかった』
「っ…そ、か。…ありがとう」


さぁ、最期の大仕事だ。

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設定タグ:ONEPIECE , サンジ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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Sae(プロフ) - 銀之助さん» 返信ありがとうございます!これからも銀之助さんのペースで頑張ってください!応援しています。 (2022年5月8日 13時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - Saeさん» 原作沿いとは言え悩んだ展開だったので、こうやって褒めていただけるとがんばって考えて良かったと思えます。更新が止まっておりますが、また細々と頑張っていければと思います。ありがとうございます。 (2022年3月10日 3時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - Saeさん» お返事が遅くなってしまって、すみません。お褒めいただいて、ありがとうございます。こちらこそ、読んでいただいて本当に嬉しく思います。元々夢主ちゃんを死なせるつもりはなかったのですが死の運命は奇跡ではなく彼らにひっくり返して欲しかったのでかなり悩みました (2022年3月10日 3時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - 銀之助さん» 銀之助さんの作ったストーリーや文章の表現力にはほんとに感動させられました!こんな素敵な作品を作って下さりありがとうございます。誰目線だよって感じになってしまってすみません💦 (2021年11月24日 19時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - 銀之助さん» 返信ありがとうございます!だいぶ遅くなってしまいました💦そうなんですね、私は夢主ちゃんとサンジくんがどうなってしまうのかハラハラしながら読んだので、正直ほっとしてしまいました笑辛い別れもありましたが、心は傍にいるような感じがして素敵だと思いました! (2021年11月24日 18時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年1月9日 20時

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