13.見えるヒト ページ13
13時。昼飯を食べ終わって30分くらい経った頃だ。
流しには、まだ洗われてない食器が水に沈んだまま放置されている。
「そのキャラ使うなって言ったじゃんか！！」
「だって、負けたら皿洗いじゃん」
「普通は皿洗いくらいはやるって言うもんだろ！」
「聞こえましぇーん」
皿洗いはゲームで負けた奴が担当する事になってるんだけど、私が特定のキャラを使うと無双状態になるのでサンジ君から禁止されていた。
ただ、それで私の負けが続いたから久しぶりに使わせて頂くことにしたわけだ。
「なんで、このキャラに限って強いんだよ！」
「1発当たれば相手が体勢を立て直す間も無く、タコ殴りで潰せるキャラなら私無敵だから」
簡単に言えばボタン連打のゴリ押しで戦えるキャラだ。
サンジ君は覚えがいいのか直ぐにコマンドも使いこなして色々な技を多彩に繰り出してくる。
……そういうのが私は出来ないから負けるわけだ。
「はい、レディー…ファイッ！」
「なっ…」
ピンポーン
戦闘開始の合図の〇ボタンはインターホンの音によって押されなかった。
モニタを見ると隣の子供がニコニコと回覧板を持って待っている。
「はいはーい、どうもリンちゃん」
「オバケのお姉ちゃん、回覧板です」
「そのオバケのお姉ちゃんってやめてくれるぅ？」
「だってオバケのお姉ちゃんだもん」
なんて会話をリンちゃんとしていると、後ろの音でバタバタと走ってくる足音がした。
なんだろうと背後を確認するより早く私の前にサンジ君が飛び出してきた。
「オバケってなんだよ！A姉ちゃんをそんな呼び方すんな！！」
リンちゃんに掴みかかりながらサンジ君が大声で怒鳴った。
突然怒鳴られたリンちゃんは驚いたのかウルウルと涙を滲ませ始める。
「え…ぁ、ご…ごめんなさい……っ」
「A姉ちゃんもなんで何も言わな…モゴッ」
「ありがとね頼もしいナイト君。でも、オバケってそういう事じゃないのよ」
サンジ君の口を塞ぎつつ、泣き始めてしまったリンちゃんの頭を撫でる。
いやー、サンジ君は将来有望だわ。
「オバケ見えるから、オバケのお姉ちゃんなのよー。ねー？」
「……見える？」
「ごめんね、リンちゃん」
「うん…平気」
謝るとフルフルとリンちゃんは首を振った。
「え、A姉ちゃんって見える人？」
「うん、見える人ー」
サンジ君が少し引きつった顔をしている。
あれ、そういうのは苦手かな？
「ほら、サンジ君の後ろに…」
「やめろよ！」
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Sae(プロフ) - 銀之助さん» 返信ありがとうございます！これからも銀之助さんのペースで頑張ってください！応援しています。 (2022年5月8日 13時) (
レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - Saeさん» 原作沿いとは言え悩んだ展開だったので、こうやって褒めていただけるとがんばって考えて良かったと思えます。更新が止まっておりますが、また細々と頑張っていければと思います。ありがとうございます。 (2022年3月10日 3時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - Saeさん» お返事が遅くなってしまって、すみません。お褒めいただいて、ありがとうございます。こちらこそ、読んでいただいて本当に嬉しく思います。元々夢主ちゃんを死なせるつもりはなかったのですが死の運命は奇跡ではなく彼らにひっくり返して欲しかったのでかなり悩みました (2022年3月10日 3時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - 銀之助さん» 銀之助さんの作ったストーリーや文章の表現力にはほんとに感動させられました！こんな素敵な作品を作って下さりありがとうございます。誰目線だよって感じになってしまってすみません💦 (2021年11月24日 19時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
Sae(プロフ) - 銀之助さん» 返信ありがとうございます！だいぶ遅くなってしまいました💦そうなんですね、私は夢主ちゃんとサンジくんがどうなってしまうのかハラハラしながら読んだので、正直ほっとしてしまいました笑辛い別れもありましたが、心は傍にいるような感じがして素敵だと思いました！ (2021年11月24日 18時) (レス) id: 0fa522b508 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀之助
| 作成日時：2017年1月9日 20時
