本命には素直になれない御影くん。【ブルーロック/御影玲王】

♕ ページ23

*



「つ、疲れた……」

「はいよ、お疲れ様〜」

「ありがと美優……」


その日の午後は大惨事だった。玲王のことがもともと好きだった取り巻きの人がヒステリックになったり、玲王がその人たちを盛大にフッたり。おかげでこっちはてんやわんやだし、名前も知らない他クラスの生徒にまで囲まれるし……。


「で？学園の王子様を手に入れたけど、今どんな気持ちですか〜？A選手っ♪」

「茶化すな茶化すな、やめい！……ま、悪い気はしないけど」

「満更でもないんじゃないですか〜！」

「ううううるさいなぁっ？！」


放課後になって、そろそろ落ち着いてきた今。帰り道、公園に寄って二人ブランコを揺らす。


「……私も彼氏ほし〜っ！」

「なに言ってんの。あんた別にモテないわけじゃないじゃん」

「…………皮肉か？？」

「ちゃうわ、私モテないし」

「……殴っていいか？？」

「なんでだよ！？」


突然メンチを切られるのには驚いたけれど、……うーん、別に私本当にモテないしなぁ、なんて。モテたためしがない。事実、玲王が初彼氏な訳だし。


「……それさぁ、御影くんがあんたに変な虫が寄らないようにしてたとか……ない？」

「は？……いやいやないって！ないない、ない！」

「いーや、ワンチャンあるね！独占欲つよそ〜だもん、あの人」

「えー？」


そんな風に会話をしたのが、昨日のこと。それで、今。




「この際だから言わせてください！ずっと好きでした！」




なんだこの状況は。




*

♕→←♕

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す