赤髪の娘は海軍本部中佐 (ページ9)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:10,022 hit

第８話ページ9

次の日。私は元帥に全てを話して、コビー大佐と前の支部に向かった。支部は第４支部。

大佐は《猫被りのグッジ》だ。誰にでも猫を被ったような態度で接するためこのような名が付いたと

いう。そして誰も、表の顔を見たことがないというのだが、私はずっと見てきた。表の顔は残虐非道

で冷徹な将校。海軍に入隊する前はなんと海賊の船長だったという。あ、ちなみに熱治りました。←

『…ふ～…』

いきなり緊張してきて息を吐く。いわゆる深呼吸だ。４支部にいた時はただの新兵だったけど、海軍

本部に入隊して、正義のコートを羽織ることができた。こんな私を、どう見るだろうか。

コビー「緊張しますか？」

ほぐしのため腕をこすっているとコビー大佐に感づかれた。

『だいぶ…怖いです』

コビー「大丈夫、僕が付いてます…ところで、グッジ大佐の元で何をしていたんです？」

『…ずっと、牢に閉じ込められていました』

コビー「…え、」

驚くのも無理はない。

『…私が牢から出されるのは大佐の機嫌がいい時だけ…機嫌が悪い時は海兵たちのサンドバッグにさ

れてました…まぁ、そのおかげで痛みには慣れてますけど笑』

コビー大佐は、悲しそうな表情を浮かべていた。

コビー「…今まで、辛かったでしょう…」

ギュッ

そのあったかい抱きしめ方に、私の目からは涙が溢れた。私、泣いてばっかだな。特にこの人の前。

コビー「あはは…泣き虫ですか？」

『うぅ…グスッ…らってぇ～泣』

コビー大佐は私の頭を撫でてくれた。

コビー「平気です…僕が必ず、守りますから！」

その言葉を聞いて、私は力強く抱きしめ返した。

コビー大佐(彼)が怒りをあらわにした顔をしているとも知らずに。