赤髪の娘は海軍本部中佐 (ページ3)

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第２話ページ3

コビー大佐は私の隣に座ると、大きく息を吐いた。

『もしや、ずっと鍛錬してたんですか？』

コビー「はい、昇格したって、鍛錬は大事ですから」

コビー大佐らしいな。この人は曹長になった時だって、准尉、中尉に昇格した時だって鍛錬を怠らな

かった。朝昼夜、時間があればずっと鍛錬をしている。私の入る隙なんて、ない。

『羨ましいです…私』

コビー「え？」

『私は女だから何やっても認めてもらえないんです…実力を買われずに気付いたらただ昇格してるだ

け…褒められたことなんて一度もないんですよ…こんなことになるなら、男に生まれたかったです』

いつの間にか、本音が出ていた。あぁ、コビー大佐を困らせてしまったかもしれない。

コビー「そんな事ないですよ…A中佐はとても強いです…僕なんかより『そんな！大佐に勝る

ものはありません！私は大佐を尊敬してます！だから、自分を否定するのは…やめてください』…」

コビー「…それじゃあ、A中佐も、自分を否定するのはやめてください」

『っ…はい…』

やっぱり私は、この人が好き。

コビー「…少し、恋愛相談をしてもいいですか？」

『え？…いいですよ』

突然の言葉に、私はびっくりした。恋愛相談って事は、好きな人がいるって事でいいのかな。なんか

嫌だ。聞きたくない。でも、、、気になる。

コビー「実は僕、今思いを寄せている方がいるんです…その方はとても優しくて…瞳が綺麗で…」

そういうコビー大佐は、どこか切なそうな顔をしていた。でも、どこか幸せそう。

コビー「海軍本部の将校として…頑張ってる姿を見ると、とても勇気付けられるんです」

『え、もしかして…ヒナ大佐ですか？』

一か八かで聞いてみると、

コビー「内緒です」

と言われた。ズルい。

コビー「…でも、その人の前だとうまく素を出せないというか…内心、焦ってしまうんです」

話を聞いて、一瞬で理解した。

コビー大佐は…その人をすごく、溺愛してるんだ。