赤髪の娘は海軍本部中佐 (ページ2)

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第１話ページ2

《パパ、ウタは？》

シャンクス《ウタはな、歌手になるために船を降りた》

《え？…でも、私とずっと一緒にいてくれるって…》

シャンクス《それはきっと、勢いで言っちまったんだろう》

《っ…なに、それ…どうせ嘘なんでしょう…シャンクス》

シャンクス《大人には、言えない事情があるんだ》

《たとえ娘でも？…そんなの許さない！！！そんなこと言うシャンクスは、もう私のパパじゃない！！！ウタは私のお姉ちゃんだよ！！そんなのあんまりだよ！！！》

『嫌！！』

私は勢いよくベットから飛び起きた。今の夢は、なんだったんだろう。

ウタは私のお姉ちゃん。でも、私はまだ幼かった。赤ちゃんだった。なのに、なんでこんな夢、見る

んだろう。

きっと、赤ちゃんの時の私の気持ちを…夢の中の私が代弁してくれたのね。

『…少し疲れすぎたな』

鍛錬ばかりして少ししか休んでいなかったから悪夢を見てしまったのだろう。私はベッドを降りて外

の空気を吸いに部屋を出た。正義の印を羽織っていても結局肌寒い。外は真っ暗だった。

『…シャンクス』

近くにあったベンチに座ると、かつての父を思い出した。お姉ちゃんがいなくなったあの日から、私

が大きくなるにつれてシャンクスは厳しくなっていった。それが嫌で、私は赤髪海賊団を逃げ出して

海軍に入隊した。その時はまだ懸賞金は掛けられていなかったから、捕まることはなかった。そして

数年後、私はついに海軍本部中佐にまで上り詰めた。そして'' 赤目のA''と言われるほど強くな

った。これも全て、あいつ(シャンクス)を捕まえるため。

『…寒い』

やはりシャツ一枚にショートパンツで正義羽織ってるだけじゃ寒かったか。１人震えていると、突然

誰かに話しかけられた。

？？？「そんな格好で夜中に外に出てたら風邪ひきますよ、A中佐」

月明かりに照らされて、声の主の顔が露わになる。まだ制服のままで花柄のバンダナを身につけた、

コビー大佐だった。私の好きな人。

コビー「眠れなかったんですか？」

『少し、悪い夢を見てしまったので…外の空気でも吸おうと』

コビー「それならご一緒してもいいですか？」

『いいですよ…くしゅんっ！』

あまりの寒さにクシャミをしてしまった。一生の不覚。と、突然暖かい感覚に足が覆われる。

コビー「足を出していたらいけないので」

大佐はそう言って、私の膝に正義の羽織をかけてくださった。