第5話 親友・ルークとのキズナ ページ5
おじさんは『は?』と素っ頓狂な声を出し、とぼけた顔をする。
「あたし、ずーっと誰かの役に立ちたかったの。でもやっぱり、何回やってもダメだったよ。
“あたし”自身が嫌われてる限り、誰かの役には立てないもん。
おじさんさ、あたしを捕まえに来たんでしょう?だったら、ついでにあたしを殺して」
…そう。何度やっても同じ結果になるだけ。
誰かを助けて、嫌われて。誰かを救って、疎まれて。
もう…、止めにしたいの。
ふと視線を感じて伏せていた顔をあげると、おじさんがまるで心外だ、とでも言いたげな顔をしてあたしをじっと見つめていた。
「…獅子王のおじさん…?」
「…嗚呼もう!!人の話を聞けって、嬢ちゃんっ!!」
何か気に触ったようで、おじさんは溜息をつきながら髪をクシャクシャと掻きまわした。
「俺は!!嬢ちゃんを捕まえに来たんじゃない。勿論、殺しもだぞ?
確かにあの村から頼まれたのは、嬢ちゃんを捕まえて軍警に引き渡す事だ。
…だがな、俺は同時に別の依頼も引き受けたんだよ。それはな嬢ちゃん、
お前を救ってくれ、って依頼だったんだ」
……え?
おじさんの言っている事がよく分からなかった。
あたしを……、救ける……!?
「だっ、誰がそんな依頼を……」
村の人たちには、ずっとずっと嫌われていたはずだ。
「確か…名前はルーク、って言ったかな。ソイツが嬢ちゃんを助けてくれって–––––」
「ルーク!?おじさん、その子、青い髪で身長がすっごく高い男の人!?」
「あ、ああ…、確かにそんな見た目だったが…。嬢ちゃん、苦しい」
勢い余っておじさんのコートに掴み掛かって仕舞ったらしい。
申し訳なくなってパッと手を離したけど、あたしの心は此処には無かった。
「ルーちゃん、あたしの事覚えててくれたんだ……!」
嬉しさのあまり手に爪が食い込んでいたのだが、そんな事どうでもいい。
唯々、嬉しくってしょうがなかった。
「あー、嬢ちゃん?その…ルーちゃん?ってヤツと知り合いか何かか?」
「ルーちゃんはね、あたしが【災厄招きの琥珀】だって知っても好いてくれた、
あたしの唯一の大親友なの!!
あたしと一緒にいた所を村の人たちに見られて、暫く会えてなかったんだけど…
ルーちゃん、ちゃんと覚えててくれたんだ!!あたしの事!!」
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羽蝶(プロフ) - この企画の企画者様が消えました。ボードでこれからの事を話し合いたいので、続ける気があれば、来てください。 (2018年8月27日 20時) (レス) id: b6bf511456 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - トワイライトさん» うん…ごめんね… (2018年8月22日 20時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
トワイライト(プロフ) - viviさん» ありがとうございます!頑張りますね^ ^ (2018年8月22日 20時) (レス) id: 8e3d40cfd2 (このIDを非表示/違反報告)
トワイライト(プロフ) - 白夜の幻想者さん» あ、そいえばそうだね…。COMMUも出来ないっけ…? (2018年8月22日 20時) (レス) id: 8e3d40cfd2 (このIDを非表示/違反報告)
vivi - とても面白いです!更新楽しみにしています! (2018年8月22日 20時) (レス) id: d25c8bf1a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:トワイライト | 作成日時:2018年8月4日 8時