第4話 誰かの役に。 ページ4
喜んだのも束の間。野次馬が沢山集まってきて、てんやわんやの大騒ぎになった。
誰がこんな事を?、警察を呼べ!!
色んな言葉が飛び交い、皆んなの目線が一気にあたしに突き刺さる。
……………またやっちゃったの、かな?
皆んなの恐怖に歪む顔、悲鳴をあげる人、呆然とこちらを見つめる人。
するとピンク色のバッグが、氷に乗ってあたしの足元までやってきた。
あのお姉さんのだ。そう思い拾い上げて、バッグの汚れを払った。
すると、野次馬の中から先ほどのお姉さんが恐い顔でこちらに向かってくる。
「はい、お姉さん!キレイなバッグ、取り戻せてよかった––––––––」
突如、お姉さんがあたしの手を思い切り叩いた。
「触らないでっ!!穢らわしいっ!!」
その拍子に持っていたバッグがドサっと落ち、中身があちこちに散乱する。
急いで拾おうとすると、今度は頬にお姉さんの平手打ちが飛んで来た。
「触らないでって言ってるでしょ!?この【災厄招き】っっ!!
アンタなんかに助けてなんて言ってないわよ、早く消えてっっ!!!」
キッと目を刃物のように尖らして睨むお姉さんの顔をと、
ヒリヒリと鈍く痛む頰を摩って、思った。
………ああやっぱり。
あたしが、誰かの役に立てるなんて夢のまた夢なんだなぁ………。
不思議な事に、涙はもう出て来なかった。
すっくと立ち上がり、スカートの誇りを払う。
…おじさんの、所に行こう。
あの人が何者かは知らないけど、あたしを捕まえようとしてるんだもん。
あの人なら、あたし殺してくれる。
こんな理不尽な世界から、あたしを救ってくれる。
その方が、あたしも楽だから––––––––。
そうしてくれたら、もう誰かの役に立ちたいと思う事も無くなるから–––––––。
○ ● ○
つかつかとおじさんのところへ歩いて行くと、おじさんはバツの悪そうな顔であたしを見た。
「嬢ちゃん、お前…」
おじさんが喋り終える前に、グイっと割り込んだ。
「
第5話 親友・ルークとのキズナ→←第3話 泥棒さんを捕まえろっ!
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羽蝶(プロフ) - この企画の企画者様が消えました。ボードでこれからの事を話し合いたいので、続ける気があれば、来てください。 (2018年8月27日 20時) (レス) id: b6bf511456 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - トワイライトさん» うん…ごめんね… (2018年8月22日 20時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
トワイライト(プロフ) - viviさん» ありがとうございます!頑張りますね^ ^ (2018年8月22日 20時) (レス) id: 8e3d40cfd2 (このIDを非表示/違反報告)
トワイライト(プロフ) - 白夜の幻想者さん» あ、そいえばそうだね…。COMMUも出来ないっけ…? (2018年8月22日 20時) (レス) id: 8e3d40cfd2 (このIDを非表示/違反報告)
vivi - とても面白いです!更新楽しみにしています! (2018年8月22日 20時) (レス) id: d25c8bf1a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:トワイライト | 作成日時:2018年8月4日 8時