黒白の翼、金紫の髪【ファンタジープロジェクト】《派生小説》 (ページ4)

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第1話流れ星と予感【朴明煌】ページ4

やけに一番星が明るく輝いていて、ボクは思わず目を瞑ってしまった。

…この世界にも、大分慣れてきた。

初めてこの世界–––––アカルナに来た時は流石に驚いたけれど、皆んな良いヒト達だったから直ぐに仲良くれたし、気候も穏やかで住みやすい。

それに夜は星が綺麗だ。森の木から眺める星はまるで宝石のようにキラキラ美しく輝いている。

今となっては心を許せる《友達》も出来たし、不自由は全くしていない。

…していない、筈なのに…

「…何だろうな、この気持ちは」

美しく光る星を眺めていると、何故だか胸の奥深くが苦しくなる。

でも星を見るのはやめられない。ボクの唯一の癒しの時間何だから。

苦しいけど癒しになる。この矛盾した気持ちは… “寂しい” に似ているかもしれない。

「ボクがこんな気持ちになるのは…君のせいだよ、×××。君があんな笑顔で微笑むからだ」

君のあの一等星の笑顔の輝き。思い出すだけで胸が熱く、苦しくなる。

全く…君は罪なヤツだなぁ。ボクが今、こんなに想っている事すら君には届かないんだから。

ここでの暮らしは最高だ。毎日が楽しくて飽きることなんかない。

でも…でもね×××、君との旅も同じくらい…いや、宇宙一楽しかったさ。星に誓うよ。

君にまた会えるのはいつかなぁ。もしかしたら軽く200年くらいは超えちゃうかもね。

…それでも良いんだ、君に会えるなら。何百年、何千年だって待っていられる。

「だから×××、君も待っていてよ。ボクが…また、君に会えるまで」

再度、キラキラと輝く星たちを見直した。…やっぱり少し、胸が痛むけど。

「…あ、流れ星…」

１つ、また１つと夜の闇を裂いていくように降り出した。

「ねぇ、知ってるかい×××。ボクの星では流れ星は《希望と出会い》の象徴なんだよ」

夜の闇に美しく輝いている流星群。

なんだろう…何故かもの凄く引き込まれる…。

誰かと出会える…予感がする。

今日もまた、知らない誰かとの出会いがあるのかな。本当、退屈しない日々でワクワクする…！

「じゃあボクは行くよ。新たな出会いが、ボクを待ってるからさ！」

ストンと木のてっぺんから降りて、ボクは静かに森の中を歩き出した。

木々の隙間から、輝く流星群が見えている。

行く道は星が指し示す方向。それとボクの感と気の向くままに。

そして…新たな出会いが、ある方向へ…。