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そんな私が指さした方を向いて大くんは驚いていたようだけど直ぐに柔らかく笑って頭を撫でてくれた。
「そっかそっか!じゃあ一緒に踊ろ!」
「ありがとう!」
軽く振りと前で踊る人を見て真似するんだということを教えてくれたので前の人の動きを見つつ程なくして流れた音に乗る。
やっぱりダンスって楽しいな、って思いながら踊っていたらあっという間に1曲が終わったので大くんにお礼を言ってジャニーさんの元へと戻った。
「Youすごいね!ダンスが凄く上手いよ!」
「隣で踊ってくれた大くんが教えてくれたの!」
「そうなんだね」
「うん!」
「そういえば、Youの名前はなんて言うんだい?」
「あ、冬月Aです!名前言うの遅くなっちゃってごめんなさい」
「あぁ!謝らないでいいよ!それより、A?」
「なあに?」
「You、オンリーワンになってみたくない?」
ジャニーさんの口から放たれた言葉の意味を当初幼かった私は理解することが出来ず首を傾げていたら、笑いながらお母さんと相談してみてよ?と言われてそのままスタジオを後にする事になった。
しかもそこから出たら困ったように笑った母が立っていて驚いた。今思えばジャニーさんと歩く私を見て誰かが報告してくれたのだろうけど、あの時の私は母が魔法を使ったと思い込んではしゃいでいた気がする。
そんな私を宥めてジャニーさんと一言二言話した後、母はお仕事終わったから帰ろっか!と私の手を取って事務所を出たのだった。
心做しか母が不安げな表情をしてる気がして、帰り道は黙って歩いていたのだが、視線を感じて見上げると母が優しく笑っていた。
「Aはどうしたい?オンリーワン、なりたい?」
「んー、オンリーワンが何かわかんないけどやってみたい、かも。」
「そっか。そうなると辛いことたくさんあるよ」
「そうなの?」
「うん。それでも辞めずにやれる?」
「…やるっ、!」
「じゃあお母さんは応援するけどこれだけは覚えてて」
「?」
「何があってもAはひとりじゃないってこと。
頑張れば必ず誰かが見つけてくれるし仲間になってくれるし何より、助けてくれる。
だから酷いことを言ってくる人の事なんて見なくていい。前だけ見て進むのよ」
「っ、わかった」
「がんばってね。お母さんはいつでも味方だから」
こうして私はジャニーズ事務所へ所属することになったのだった。
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noa(プロフ) - さっちいさん» 教えていただきありがとうございます。一応全て確認しましたが見落としている可能性もあるため大目に見ていただけたら幸いです。ご指摘並びに閲覧ありがとうございました。 (2021年6月1日 1時) (レス) id: 4b26657acc (このIDを非表示/違反報告)
さっちい(プロフ) - 途中から(名前)が茉白になってしまっています (2021年5月31日 13時) (レス) id: 75e30b5afd (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 今コロナウイルス流行ってるのでお互い気をつけましょう (2021年5月19日 0時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
noa(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいお言葉を頂けて更新頑張れそうです…!これからも楽しんで頂けたら幸いです (2021年5月15日 19時) (レス) id: 2924d34ba4 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です更新大変だと思います頑張ってください応援してますコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年5月15日 13時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:noa | 作成日時:2021年5月9日 1時