雪景色に浮かぶ寒月へ

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暫くして全ての撮影を終えたらしいAがいつもの格好に着替えて戻ってきたのでおつかれ、と声を掛けてスタジオを出た。
この後は全員での仕事だから同じ車で行くことになったのだが俺たち6人はAの新しい一面を目の当たりにしたからか未だ興奮冷めやらぬ状態で車内はとても賑わっていた。
初めての1人での撮影で多少なりとも疲れていると思うのにそんな素振りは一切なくニコニコと笑顔を浮かべる彼女は本当に優しいと思う。






いや、俺らと一緒に活動してるから体力お化けなだけか…？まぁ現役高校生だしな。






なんて思いつつ会話に混ざっていればあっという間にスタジオについていた。
到着したのにも関わらずみんなの口が閉じる事はなさそうだ、と思ったら案の定撮影前の待機中も休憩中も終わったあともずっと会話が続いていて軽く恐怖を感じた。



そろそろ帰るぞ〜って照が声をかけてもえーと若干１名が駄々を捏ねるから、結局久しぶりにみんなで飯を食いに行くことになったのだった。



佐久間 ｢楽しみだね〜〜〜っ！｣



｢久しぶりだからすごい楽しみ！｣



宮舘 ｢何食べに行く？｣



佐久間 ｢今日は初表紙のお祝いだからお嬢の好きな物にしよー！！｣



｢やったーーー！｣



岩本 ｢ふっかが奢ってくれるってよ｣



深澤 ｢なんで俺になるの？！まぁ、愛しのAちゃんのためなら喜んで奢るけども！！！｣



｢わーい！辰くんありがとう！｣



渡辺 ｢A、嫌なことはちゃんと言っといた方がいいと思うぞ｣



深澤 ｢なべは余計なこと吹き込まなくていいの｣




阿部 ｢てかさ、みんなスルーしてるけど、なんで佐久間はお嬢呼びなの？｣



佐久間 ｢だってあの白のワンピース着てるAめちゃくちゃお嬢様！って感じだったんだもーん！｣



宮舘 ｢お姫様じゃないんだ？｣



佐久間 ｢なんかお姫様より近寄れる感じ？？｣



渡辺 ｢お前も分かってねぇじゃん｣



佐久間 ｢いーのー！お嬢はお嬢だから！｣



岩本 ｢いや、意味わかんねーよ｣



宮舘 ｢Aはそれでいいの？｣



｢みんなに呼ばれるならなんでも嬉しいけど？｣




そう首を傾げながら彼女が発した言葉に思わずみんなの動きが一瞬止まり静寂が訪れた。



｢え、妖精通った感じ？？｣



なんて全く自分の落とした爆弾に気付かない彼女はそう呑気に言って何食べたいかなぁ、とルンルンしている。

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