雪景色に浮かぶ寒月へ

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side You



もはや見慣れたのかマネージャーは私たちのこの距離感に全く動じることなく、部屋の中へと入ってきて要件を伝えてくれた。



｢冬月さん、滝沢副社長から呼ばれてます｣



｢えっ、私だけ、？？｣



｢はい｣



私だけ呼ばれるのは、加入の話がされた1年前以来なので思わずドキッとすれば他のみんなも検討がつかないようでキョトンとした12コの目がこちらに集中した。



渡辺 ｢え、お前なんかしたの？｣



｢え、してない｣



佐久間 ｢気付いてないだけだったりして〜！！！｣



ひゃー！と女の子のような素振りをしながら声をあげる大くんを無視してとりあえず待たせてはいけないから、とみんなの中心から抜け出す。



｢いってきま、す｣



岩本 ｢がんばれよ〜｣



深澤 ｢生きて帰ってこいよな〜｣



阿部 ｢いや別に殺されるわけじゃないからね？｣



渡辺 ｢負けんなよ｣



佐久間 ｢お前が帰ってくるの、待ってるからっ！！｣



宮舘 ｢帰ってきたら生還パーティーしないとね｣



阿部 ｢何、Aは戦にでも行くの？｣



なんてみんながボケ倒してあべちゃんがツッコミを入れて、という変な送り出しをされて少し緊張が解れた私は再び滝沢さんの元へ向かった。
以前と同じように扉の前で小さく深呼吸をしていつもより早いスピードで脈打つ心臓を落ち着かせ、3回ノックをした後、口を開く。



｢滝沢さん、冬月です。｣



｢あぁ、入っていいよ｣



フランクな返事をしてくれたから悪い話ではないのかな、と思いながら扉を開いて部屋の中へと入ると、笑顔を浮かべた滝沢さんと目が合った。



と思ったらすぐに拍手をしながら声を掛けられる。



｢おめでとう！｣



話の意図も何があったのかも掴めない私はぽかんとしてしまったらしく、滝沢さんに笑われてしまった。
でもこれは仕方ないと思う。誰でもこうなると思う。という誰に向けた訳でもない言い訳を心の中で独り言ちると、滝沢さんが封筒に入った書類らしきものを私に手渡してくださった。



｢…これは、？｣



｢読んで見ればわかるよ｣



そんな滝沢さんの言葉に習って、失礼しますと小さくこぼして封を開けて書類を取り出すとそこには目を見張る内容が記されていた。



｢驚いた？｣



｢へ、いや、えっ？これ、まじなやつです、か、？｣



そんな私のリアクションに笑いながらも首を縦に動かす滝沢さんにまたしても私は固まってしまう。

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