eleventh shake ページ11
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ギクッと肩が跳ねる。一拍遅れて、今ので図星がバレたことを悟った。
「だからあの後も平気で俺と二人で飲み行けるし、そのまま家に上がらせるし、センラもベッドでいいじゃんって一緒のベッドで寝れるんや。生物的に男やとは思ってて口説いてんのわかってても恋愛的にどうとかは全く考えてない。つーか圏外。領域外」
気迫に圧されて後ずさる。その分センラが近付いてくる。ガラスの壁に踵が当たって、後ろを振り向いた瞬間すぐそばをセンラの腕が通過してドンッと耳元で音が立った。
前を向き直す。センラは薄く笑いながら怒気を孕んでいる。
「俺、何か間違っとる?」
「…………」
否定すれば本格的に怒る気がする。でも黙っていても結局肯定になってしまう。じゃあどうすればいい。わからない。沈黙が続く。
「……俺のこと振らんくせに。小悪魔っつうんか?そんな性格やったんやなお前」
「…………は」
何言ってんの?私は最初にあんたがやったかもっつった日にちゃんと――。
『待ってとりあえず会社遅れる!!センラ先行って、私後から行くから!このことに関しては許さない!!』
……振っ、てないな!?
「今更わかっても遅いんよ」
センラに顎を掴まれる。片手でも勝てない握力はさすが成人男性と言うべきか。
「小悪魔でもなんでも、諦める気ねえから。はよ惚れさした責任取れ」
殴るように重ねられた唇は酒の味がして、度数の高いアルコールの香りにくらくらした。それでも大切に触れられていることは、わかった。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年6月6日 14時) (レス) @page15 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 乃々夏さん» コメントありがとうございます!こんな思いつきの作品に何度もコメントをくださって本当に嬉しいです、ありがとうございます。ご縁があればまた別のところでもよろしくお願いします! (2021年9月25日 23時) (レス) @page14 id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - 完結おめでとうございます!楽しく読ませていただきました…!更新の通知がとても嬉しかったです!お疲れ様でした! (2021年9月25日 23時) (レス) @page15 id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - リゼさん» ありがとうございます!完結したのでよろしければ最後まで見ていってください^^* (2021年9月25日 3時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
リゼ - この作品めっちゃ好きです…! (2021年9月12日 13時) (レス) id: c4d3492aa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2020年8月27日 14時