episode 52 ページ7
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強めにうらたさんの腕を叩くが全く離してくれない。それどころか隙あらば舌を入れようと狙っている。絶対に開けてなるものか。
もう、……っ素直に喜べないからやめてほしいんだけど！！
まふまふさんに気を取られていると、手首を握る力が強くなった。よそ見をするなと、照明を遮る背の陰になっている中でも煌めくような輝きを放つ緑の双眸が言っている。
あなたじゃないんだから無理です！！他人の目気にします！！！
こうなったら突き飛ば――せないかやっぱ！小柄で細身なのにちゃんと男の人なんですよね！
傍から見れば知り合いの前でイチャついている男女の体勢で、水面下での攻防戦は続く。しかしそろそろ諦めたくなってきていて、やばい。
ただ唇を重ねているだけでは物足りない。膠着状態が続くほどその気持ちが大きくなっている。
私が折れて受け入れれば、うらたさんはきっと強引に暴いて、とびきりの甘さに浸してくれる。そういう気配を感じ取っていて、一秒ごとに彼に身を委ねたい思いが強くなる。
……抵抗しなくていいかな。
脳裏にふと、赤い彼が浮かんだ。
刹那、またも荒々しく扉が開いた。
「っ……う、うらたぬき！？！？」
素っ頓狂な声が上がる。快活な少女のそれは、一人で待たせてしまっていた、私の友達のものだった。
くろ、ありがとう……！！！
□■□
「あんまり遅いから、突然入られたらまずいことでもしてへんよなってノックなしでドア開けてみたら国宝いや世界の宝うらたぬきって……なに？どゆ状況？」
「すみません……けどまじで助かった、来てくれてありがとう、くろ」
「くろちゃんっていうんですか？ありがとうございます！」
「あんたは止めんかい！」
くろの鋭いツッコミがまふまふさんを襲う。彼は肩を跳ね上げて「ご、ごめんなさい……」と呟いた。
「あそこでボクがうらたさんを止めてたら絶対怒られると思って……」
「それでも止めろや！合意やなかったん見てわかったやろ！」
「うっ……すみません……」
まふまふさん、たじたじだ。ちょっと可愛い。
「元凶は撮影戻ったんか」
「うん、電話かかってきてたからね」
元凶という言い方を訂正しようか迷ったがやめた。彼が掻き乱したことには間違いない。
ふうん、と相槌を零すくろはとりあえず納得したらしい。
「まふまふとか言ったな。次やったら覚えとけよ」
「ひっ。はい……」
しっかり釘を刺すあたり頼もしい。まふまふさんが若干可哀想にも思えるけれど。
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む-む(プロフ) - 更新ありがとうございます！いつも楽しく読ませてもらってます…！今後も応援しております！ (2月5日 22時) (
レス) id: e45905575c (このIDを非表示/違反報告)
蟹汁(プロフ) - 最新話とても楽しみにしておりました…！更新嬉しいです！ (1月9日 13時) (レス) @page19 id: 1d876901a1 (このIDを非表示/違反報告)
yume(プロフ) - すごくドキドキする楽しい作品です！更新楽しみにしてますー！ (10月28日 13時) (レス) @page18 id: af9fca39eb (このIDを非表示/違反報告)
きゆか(プロフ) - 更新楽しみにしてます…！いつか続きみたいなって思ってます…！！ (2022年10月31日 0時) (レス) @page18 id: 1051f9e52c (このIDを非表示/違反報告)
みこ - 更新頑張ってください！大好きなお話です！ (2022年10月22日 16時) (レス) @page18 id: 2aca8cdc1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア
| 作成日時：2020年8月27日 14時
