episode 40 ページ43
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……ここ、絶対セレブが住んでるところだ。
外観から察していたが、本物のコンシェルジュにお目にかかれるとは思わなかった。
そういえばハリウッド俳優ですもんね。国内最高級のマンションに違いない。
色々圧倒されながらなんとか最上階に唯一ある部屋――うらたさんの家にたどり着く。
緊張する指でインターホンを鳴らす。足音がして、すぐにドアが開いた。
「いらっしゃい。来てくれてありがとうな」
アシンメトリーな黄色の髪をした、整った顔立ちの男性が笑う。
声でなんとなく正体は分かった。
「いえ……センラさんですか?」
「そう。僕がセンラです。ごめんなぁほんま、でもうらたんがあんまりにもやから呼ばんと死ぬんちゃうか思って」
「……死にそうなくらい辛そうなんですか!?」
思ったより深刻な状況らしい。絶対看病が必要だ。来てよかった。
「……うーん、なんて答えたらええんか、悩みどころやな。まぁとりあえず上がってください、ほんでうらたんのそばにいてあげて」
「はい!」
大きくドアを開けてくれて、私が上がると「こっちです」とうらたさんのところに誘導してくれる。
センラさん。優しいけれど、なんだか独特の雰囲気を持っている。
てかうらたさんのことうらたんって呼ぶんだ。かわい。
「こん中いますので、あとよろしくお願いします」
「あ、お仕事ですか?」
「はい、もうそろそろ時間が厳しくて……」
「わかりました、お仕事頑張ってください」
「ありがとう。君も頑張ってな」
意味深に微笑み、センラさんは去っていった。
……なんだろう。風邪のうらたさんは絡みがひどいとかかな。
何が来ても動じないように覚悟して、私はドアを控えめにノックし、開けた。
「失礼します……」
隙間から覗くと、案の定うらたさんは寝ていた。
音を立てずにドアを閉め、忍び足でうらたさんの眠るベッドに近付く。
……寝顔めちゃくちゃ綺麗だな。睫毛なっが。
「A……」
唐突に呼ばれて肩が跳ねたが、うらたさんの目は閉じられている。
うわ言?私の夢でも見て……――自意識過剰。ないない。
「ん……」
うらたさんの眉間に皺が寄り、ゆっくりと瞼が開いた。
朧気な緑が私を見て、ドキッとする。
「……センラ?」
「えっ、ちが――」
「センラ!!無理俺死ぬ!!」
ガッと額を両手で押さえ、うらたさんが叫んだ。
え、なになに?
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エス(プロフ) - ノアさん» いやー!!続きが楽しみですね!一生付いてきます!これからと体は気をつけて更新ゆっくりでもいいので頑張ってください!それと続き編ありがとうございます! (2020年8月27日 20時) (レス) id: 3190ad61df (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ミルクショコラさん» 夏休みですか!最高ですよね!!短いのは残念ですが、是非とも満喫してください^^* (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - エスさん» そう言っていただけて嬉しいです!私もどうなるかわかりません笑 これからもお付き合いくださると嬉しいです! (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 東雲さん» こちらこそありがとうございます!!長らくお待たせ致しました(汗) 続編移行したので是非これからもよろしくお願いします! (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - わかさん» 私がきっかけなんですか!?めっちゃ嬉しいですありがとうございます……!これからも頑張ります! (2020年8月27日 17時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2019年9月5日 19時