Love Traps【urt】【skt】

episode 28 ページ31

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ある平和な休日。私は、黒服さんが教えてくれたドラマの録画を見ていた。

『私はルーク。相談屋でございます』

画面の中のうらたさんが口元に笑みを浮かべて恭しくお辞儀する。

ドラマ『相談屋』は、うらたさん演じる「相談屋」を名乗る謎の男と日本の警察との戦いを描いた作品である。

主に相談屋の視点から描かれているのだが、これがめちゃくちゃ面白い。

相談屋は警察や世間には素顔が明かされていないため、毎話好きに街を動き回る。まるで悪人とは思えない無邪気さで、こちらがその正体を忘れかけた頃にふと「相談屋」が顔を出す。

そして彼の脳内に組み立てられるのは、“次”の計画だったり、今回をより複雑に悲惨に(相談屋いわく『面白く』)する方法だったり。

玩具を見つけた子供のような顔でありながら、瞳の奥に酷薄を光らせて。

私が見ているシーンは、ある人間に憎しみを持つ男性を勧誘(・・)するところだ。

初め怖気付いていた男性は、言葉巧みな相談屋により、落とされ(・・・・)てしまった。

『一名様ご案内……』

画面に鈴だけが映し出され、細く涼しげな音を鳴らす。

カメラが切り替わり、相談屋たちがいた夜の歩道が再び映されたが、二つの人影は忽然と消えていた。

「……いやうらたさんやっば！！」

CMに入ったテレビに向かって、私は率直な感想を叫んだ。

本当にやばい。演技うますぎ。依頼人を切り捨てる時なんか怖すぎて毎回めちゃくちゃ悪寒がするし。

――実はこの4話の視聴前、どうせならと私は動画サイトで1話からドラマを見ていたのだ。

ここまでハマることになるとは予想外だったけど。

「……多分、うらたさんが演じてるからこんな面白いんだろうな」

他の人なんて既に想像できないけれど、きっとこのドラマはうらたさんだから魅力的なんだ。役がそのまま乗り移ったかのような演技が、見る者を惹き付ける。


ていうかこの人めっちゃ忙しいよね？絶対私と会ってる暇とかないよね？ここ最近は連絡ないけど、どうやって時間作ってたんだろう……。

ドラマが終わり、スマホに移るとうらたさんから久しぶりのメッセージが来ていた。

“今〇〇で撮影してんだけど、終わったら会えるか？夕方になると思う”

「夕方……」

ということは、5時くらいかな。いつもそれくらいがちょうどいいみたいだから。

5時から大丈夫です……っと。

うらたさんを頭の中に思い描いて頬を緩めたのは無意識だった。

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