episode 26 ページ29
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不意に、頭に温かさを感じた。
「やっぱ無し。俺と関わっとるからって、こっちの人間になる必要ないよな」
ぽんぽんと優しく私の頭を叩く坂田さんの手は、まるで「困らせてごめんな」と言っているようだった。
私の方こそ、気を遣わせてすみません。そう言いたかったが、彼が口にしなかったことを私から言うのはできなくて黙っていた。
その時、比較的近いところにいて、私たちの話を聞いていたらしい若い黒服が、酒のまわった赤い顔で言った。
「とか言って坂田様ー、本当は家族になったら手出せないからじゃ」
パンッと彼の手にあったグラスが弾けた。
さらにその背後の襖に穴が空き、外で何か鈍い音がした。
若い黒服の顔がさっと青白くなった。
「何か言ったか？」
坂田さんは右手に銃を構えていた。
ま……まさか撃っ……。
「い、いえ何も！！襖は後で私が張り替えさせていただきます！！」
「外の銃弾も回収しろ」
「勿論でございます！！そちらは今すぐ！！」
彼は勢いよく立ち上がって穴の空いた襖を開け外へ飛び出していった。
部屋はしんと静まり返り、空気の底に緊張感が漂っていたが、坂田さんが銃をしまって「酒持ってこい」と黒服の一人に声をかけると一瞬で元の騒がしさに戻った。
状況整理に頭が追いついてこない。
「たまにあることや。気にせんでええよ」
「あ……はい」
たったさっき銃を撃ったばかりの人からそう言われれば、素直に従う他なかった。
「ところでお前、あんま食べてへんやろ」
ぎくっと自分の体が揺れた。
横を見れば、無表情の坂田さんに感情の読めない眼差しを注がれる。
「決して美味しくないわけでは！！むしろ美味しいんですけど……豪華すぎて躊躇ってしまって」
「お前のことやからそーゆー理由やと思ったわ。でも食べろ」
「えっ、……どれを？」
「どれでも。好きなように」
そう言われても……ほんと、すごすぎて料理全部キラッキラしててどこからも手をつけられないんですが。
「……はぁ。ほんなら食べさせたるからこっち向き」
「え、食べさせるって――」
ストップをかけるつもりで坂田さんの方を向くと、彼は口をもぐもぐと動かしていた。
あれ、食べさせる話はどこに……。ん？待てよ。この展開どっかであったぞ。
確かお粥……初めて会った時も――。
『二択だ。自分で食うのと、俺に口移しで食わされるの。どっちがいい』
目の前には、無言で何かを咀嚼する坂田さん。
……え、うそ、えっ！？
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エス(プロフ) - ノアさん» いやー！！続きが楽しみですね！一生付いてきます！これからと体は気をつけて更新ゆっくりでもいいので頑張ってください！それと続き編ありがとうございます！ (2020年8月27日 20時) (
レス) id: 3190ad61df (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ミルクショコラさん» 夏休みですか！最高ですよね！！短いのは残念ですが、是非とも満喫してください^^* (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - エスさん» そう言っていただけて嬉しいです！私もどうなるかわかりません笑 これからもお付き合いくださると嬉しいです！ (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 東雲さん» こちらこそありがとうございます！！長らくお待たせ致しました(汗) 続編移行したので是非これからもよろしくお願いします！ (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - わかさん» 私がきっかけなんですか！？めっちゃ嬉しいですありがとうございます……！これからも頑張ります！ (2020年8月27日 17時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア
| 作成日時：2019年9月5日 19時
