木蘭の涙〜記憶の欠片〜

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遥輝:相変わらずやな笑

目の前をバタバタ掛けてったのは

A:っ……遥輝？

遥輝:はよ

A:おはよ、朝早いね

遥輝:そっちは遅刻寸前？

A:望みをかけて走ったけど……

ちらっと時計を見て"無理だ"って呟いて困り顔で微笑むのに胸がなったのはここだけの話

遥輝:駅まで車なら
学校まで車でいけばえーやん

A:駐車場狭くて広いとこ抽選に外れたの笑

遥輝:引き悪っ笑
何時に着けばえーの？

A:8時半！

遥輝:ったく、今度なんかしてもらうからな
……送ったる

A:いいよ、遥輝…練習でしょ？

遥輝:自主練で早く行くだけやし遅刻とかやない

A:自主練なら尚更ダメじゃん

遥輝:社会人として遅刻はアカンで
送ったるから大人しく乗りなさい

A:……ほんとに？

遥輝:疑い深いな…珈琲買ってくるから車わかる？

A:あの、高級車でしょ？

遥輝:先乗っとって

鍵を渡して目の前のコンビニに入って
珈琲とカフェラテを買って


遥輝:ん

A:ありがとう…お金

遥輝:いらん、、ナビ打って

A:……はーい


遥輝:朝弱すぎやろ

A:最近あんまり寝れてなくて

遥輝:なんで？仕事終わるの遅いとか？

A:夢を見るの…

遥輝:夢？

A:うん…記憶をなくす前の出来事かな？
目が覚めた瞬間頭痛が酷くて

遥輝:……そうなんや

A:あ、……今日卓さんと会う？

遥輝:ん？……会うけど？

A:これ、渡して貰えるかな？

鞄の中から出てきたのはひとつの小説

遥輝:本？

A:読みたいって言ってたから

……読みたいって言ってた？

遥輝:どっかで会ったん？

A:最近よくLINEするの

…………聞いてへんで！！

遥輝:卓さんが本読みたいって言ったん？

A:うん…私が本に夢中になってて
そしたら俺も読みたいって


嘘やん……卓さん本読むのダメなのに…笑


遥輝:毎日してんの？

A:……ほぼ？

草食系の不器用男でも意外とちゃんとするんや

遥輝:渡しとくわ

学校の校門をくぐるとすごい生徒の視線

A:高級車に興味津々なのかも

遥輝:あー、車ね……

Aの人気ぶりかと思った
ロータリーにとめて助手席にまわる

遥輝:はい

A:ありがとー

遥輝:ちゃんと仕事するんやでー笑

A:ふふっ…遥輝も試合頑張ってね

遥輝:おう、今日終わったら
飲み行こ迎え来たる

A:うん…

遥輝:何食べたいか考えとけよー

A:はーい、じゃあ行くね

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