サイアイ (ページ11)

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A:遥輝先輩

遥輝:ん？

「ぇ？…あ、え？！」

うるせぇこいつ…

A:やっぱり…遥輝先輩だ

遥輝:うん…どした？また迷ったん？

A:補習帰りです

やっぱり彼女は第2ボタンまであけてて
今日はきらりと輝くネックレスが覗いてる

特進は緩いんやろか…
勉強めっちゃ頑張ってるから
少しくらいは許したるみたいな？

遥輝:大変やな…暑い中勉強

A:遥輝先輩こそ練習大変そうですね
先生から聞きました甲子園…頑張ってください

遥輝:見にこんの？

A:残念ながら…補習で

遥輝:そうなんや

A:ふふ、代わりと言ったらなんですけど
これ良かったらあげます

遥輝:え？

A:こないだのお礼も兼ねて
こんなのでごめんなさい

売店帰りか…袋の中にはパピコとお菓子

遥輝:今から帰るん？

A:はい

遥輝:夏樹…持ってて

「あ、おい遥輝！」

遥輝:送る

A:え？

遥輝:えーから…おいで

A:…はい

夏樹がごちゃごちゃ言ってるけどしらね…

後ろをちょこちょこ着いてくるAを
たまに振り返ってみながら
学校の最寄り駅まで送る

A:駅まで…ごめんなさい

遥輝:えーよ…どうせ俺練習出来へから

A:え？あ、怪我ですか？

遥輝:骨折…ま、甲子園はでるで

A:！

遥輝:ふ、そんな驚く？

A:早く…良くなるといいですね
無理しないでくださいね

遥輝:おう…頑張るわ

A:じゃあ…

遥輝:A…変なやつには気をつけろよ？

A:ふふ…はい笑

駅の改札通るまで見守って
学校に戻ると校門の前に夏樹の姿

だるっ…

「おい…聞いてねーぞ」

遥輝:あ？何が？

「なんで黒崎Aと知り合いなんだよ！
遥輝先輩？…お前まさか」

遥輝:ちげーよ…棟間違えて迷ってたから
案内してやったんだよ

貰ったパピコを食べながら

「可愛かったなー……俺、あんな子がいいわ」

どの面下げて言ってんねん

遥輝:てかお前練習いけよ

「遥輝の相手が俺の仕事」

遥輝:余計なお世話やわ…もー帰るし

「それ間に合うわけ？」

遥輝:間に合わんくても出る
去年もそうやったし

「あんま、無理すんなよ…お前プロまで行くんやろ」

遥輝:分かってるわ

こんな感じでたまにすれ違ったりした時は
挨拶したりするくらいにはなってた