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地下へ繋がる階段を二人で降りていく。
「近接戦闘に関して悠仁は頭一つ抜けてると思うよ」
目的の部屋の前に来ると扉を開く。
「「…………」」
誰もいないはずの部屋のテレビが付いていて、誰かがソファーに座っている。
「…何してんの?」
五条が呆れたように声をかけると、ソファーに座っていた人物がゆっくりと振り返る。
「テレビ見てんの」
「いや、うん、そうなんだけどさ」
五条の言葉を無視して彼女はまたテレビの方を向く。
「二年は今日一年と自主練のはずなんだけど」
「そうですか」
「テレビは夜見なさい」
「テレビは見たい時に見るものです」
「僕そんなこと教えた覚えないけど」
「私が教えた」
「はぁー…別にいいけどさ、体鈍るよ?」
「大丈夫。私最強だから」
「僕の決め台詞とらないでくんない?」
ソファーから動こうとしない彼女にため息をつきながら、五条はテレビを消す。
「チッ」
「コラ、舌打ちしない」
「你这个混蛋」
「怒るよ〜?」
五条とソファーに座る彼女を交互に見つめる虎杖が恐る恐る口を開く。
「だ、誰…?」
「そっか。悠仁は会うの初めてだったね。コイツはコウ。ほら自己紹介」
五条が無理矢理コウを立ち上がらせる。
その様子はまるで母親と反抗期の子供のようだった。
「コウ。よろしく」
簡潔に述べると、コウは無表情で右手を差し出す。
「虎杖悠仁っス!よろしくおなしゃーす!」
虎杖が彼女の手を取った瞬間、物凄い勢いで手をブンブンと振り回される。
「うおっ!?」
あまりの勢いに思わず虎杖はよろける。
無表情のまま手を振り回すものだから、虎杖は戸惑うしかなかった。
漸く手が離されると今度は頭を叩かれる。
「えっ!?何!?」
別にそれほど痛くはないが、突然の奇行に理解が追い付かない。
「そこに頭があったから」
「はっ!?」
「頭の硬さの確認だよ。バカは頭が硬いんだって。だから悠仁はバカ。悟と同じね」
ついさっきまで無表情だったのに、今度は小さな子供みたいに無邪気な笑顔でコウはそう告げる。
初対面でディスられたことへの怒りより、彼女の意味不明さへの衝撃が強すぎて虎杖は言葉が出なかった。
「悠仁、気を付けなよ。コウはこういうとこあるから」
バカと言われた五条が手をグーにしてコウの頭をグリグリしながら言った。
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シバ(プロフ) - 春光さん» ありがとうございます‼︎めちゃくちゃ嬉しいです😭拙い内容かもしれませんがこれからもよろしくお願いします! (2022年4月9日 23時) (レス) id: 23e6976bb8 (このIDを非表示/違反報告)
春光 - 私的に凄い好きな物語でした。◕‿◕。 後編、楽しみです。更新頑張ってください!! (2022年4月3日 15時) (レス) @page49 id: 51abf968eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シバ | 作成日時:2022年3月27日 1時