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「大丈夫ですか狗巻先輩」


「しゃけ」


「棘、おぶろうか?」


「おかか」



迫り来る木の根から建物の構造を利用して距離を取り続ける。

狗巻で止めて加茂と伏黒で攻撃し、距離を保つ。

この繰り返しで帳の外を目指すわけだが、この均衡が崩れるのは時間の問題だ。

走りながら喉薬を飲む狗巻にいつ限界がくるか分からない。



「ねぇ、さっきも思ったけどこの帳なんか変だよ」


「今はそれどころじゃないでしょ。真面目にやれ」


「酷いなぁ恵。私はいつも真面目なのに」



いつまでも能天気なコウに伏黒は苛立ちを募らせる。



「来るぞ!」



加茂の合図で一斉に後ろを向く。



「《止まれ》」



特級呪霊の攻撃が止まった隙に加茂が凝縮した血を放つ。

顔面を掠めたそれは、特級呪霊に小さな傷をつけた。



「急げ。どうせすぐ治してくる」



再び前を向いて走り出す。

が、何故かコウは動かない。



「おいコウ!」


「何考えてんだアンタ!」



容赦なくやって来る攻撃を軽々と躱すと、コウは三人に笑みを向ける。



「三人は先に行きなよ」


「は!?」


「何を言っている!」


「おかか!」



この状況であり得ないことを言い始めたコウに三人は驚きを隠せない。

だが。



「私が時間稼ぎするってカッコイイこと言うと思う?悪いけど正直邪魔なんだ」



コウの声のトーンが明らかに下がった。

いつもの呑気なあの様子とはかけ離れた異様な雰囲気を纏った彼女。



「……後悔させんなよ!」


「高菜…!」


「待て!本気で置いていくのか!?」


「早くしてよ」



後ろを振り向くことなくコウが言い放つ。



【随分と仲間思いですね】


「そうかな。そう見えるならアンタの頭ん中はお花畑だね」



三人が外に出たタイミングで、コウは特級に自ら切断した二本の指を投げる。



【愚かな】


「ボンッ」



特級の目の前に来たところでコウが声と共に術式を発動させると、指が爆発した。

爆発したことでできた隙に、特級の背後に回り蹴り上げる。



【なんだ…この術式は?】



呪力の籠もった蹴りで、特級は建物の外へと放り出される。



【!?】



妙な違和感を感じ、特級_____花御が自身の体を見ると、細い腕が巻き付いている。



【あの少女の腕…!?まさか_____】



外そうと手を掛けた時。



「時間切れ」



コウの声と共に巨大な爆発が起こった。

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シバ(プロフ) - 春光さん» ありがとうございます‼︎めちゃくちゃ嬉しいです😭拙い内容かもしれませんがこれからもよろしくお願いします! (2022年4月9日 23時) (レス) id: 23e6976bb8 (このIDを非表示/違反報告)
春光 - 私的に凄い好きな物語でした。◕‿◕。 後編、楽しみです。更新頑張ってください!! (2022年4月3日 15時) (レス) @page49 id: 51abf968eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シバ | 作成日時:2022年3月27日 1時

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