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「準備してきたって言うからてっきり血を思いっきり使いまくると思ってたのに、案外シンプルだね、加茂君」



欠伸を噛み殺しながら傍観を続けるコウが呑気に話す。



「式神使いでこう動ける者は少ない。彼の成長を見るには十分だろう」


「ちょいちょい出してくる仲間意識なんなんですか?」


「シンパシーさ。君はゆくゆく御三家を支える人間になる」



構えを解き、加茂は伏黒と真っ直ぐ向かい合う。



「私は虎杖悠仁を殺すつもりだ」



加茂の言葉にコウは目を細めるが、伏黒は表情を変えない。



「……ふぅん?」


「…楽巖寺学長の指示ですか?」


「いや、私個人の判断だ。それが御三家…加茂家の人間として正しい判断だと思っている。君にも理解できるはずだ」



すると二人の上から笑い声が降ってくる。



「フフッ…あははは!!ふははははっ!!」



今の話のどこに面白い要素があったのだろうかと伏黒と加茂が怪訝な顔で上を見上げる。



「あーごめんごめん。爆笑しちゃった」



腹を抱え、目に涙を浮かべたコウが足を組みながら息を整える。



「御三家って大変なんだね、笑っちゃう」



よっこいしょという声と共にコウが下に飛び降りる。



「君には関係のない、難しい話だったか。もう少しこの国の言語を学んだ方がよかったんじゃないか?」


「ぶっちゃけ日本(こっち)の方が長いから。それより、気になって仕方ないんでしょ?どこで知ったのか知らないけど、私が悟のお気に入りの理由と本当の名前を隠してる理由。恵が不利になったら私が助けると思った?」


「君達は長い付き合いなんだろう?流石に見捨てるとは思えない。それに戦闘中は本音が漏れやすい。知的好奇心を満たすには丁度いいだろう?」



丁度伏黒と加茂の間に降りたコウは後ろで腕を組み、加茂を見据える。



「そう安々とやられませんよ」



勝手に会話に入られた挙句、自分を散々な扱いをする先輩二人に伏黒が不満を漏らす。



「知的好奇心ね。ま、そういうことにしといてもいいけど」


「何を疑っているのか分からないな」


「私加茂君のしっかりイカレてるけど真面目なとこ、結構好きなんだよ?でもこういうところは嫌い」



コウがゆっくりと壁に近付き、そっと触れる。

すると大きな爆発音と共に、壁が吹き飛んだ。



「驚いたな。術式を持っていないものだと思っていた」



この時コウが指を二本失った(・・・)手をこっそり隠したことを、誰も知らない。

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シバ(プロフ) - 春光さん» ありがとうございます‼︎めちゃくちゃ嬉しいです😭拙い内容かもしれませんがこれからもよろしくお願いします! (2022年4月9日 23時) (レス) id: 23e6976bb8 (このIDを非表示/違反報告)
春光 - 私的に凄い好きな物語でした。◕‿◕。 後編、楽しみです。更新頑張ってください!! (2022年4月3日 15時) (レス) @page49 id: 51abf968eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シバ | 作成日時:2022年3月27日 1時

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