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三本の矢を器用に構えて放つ。
放たれた矢は大きく軌道を変えて伏黒へと向かっていく。
武器と式神で追いかけてくる矢を払った。
(矢尻に少量の血…)
「赤血操術…ザ・御三家って感じ」
伏黒の上の方から声が聞こえてくる。
「ついて来たなら加勢してくださいよ。それか別でやることあるでしょ」
声の方向に視線を向けると、そこには手すりに腰掛け伏黒と加茂の戦いを傍観するコウの姿があった。
「元々悠仁なしでピッタリの人数だったのに、今は東京校が一人多い。折角やるなら平等の方がいいでしょ」
「アンタ、虎杖生きてること知ってましたよね?サボりたいだけだろ」
「恵ぃ、人には踏み込んでいい領域と駄目な領域があるんだよ。いくら幼馴染のアンタでも駄目なモンは駄目なの」
「今俺が言ったことのどこが踏み込んじゃ駄目な領域なんだよ」
「戦闘中だというのに随分と余裕だね。それに私は別にコウが加わっても構わない。私に近付いて来ないあたり、本当に戦う気がないようだけれど」
伏黒も加茂も、コウが虎杖や東堂と同じく拳や蹴りに呪力を籠める近接タイプだということはよく知っている。
華奢なその体では少々分かりづらいが。
「同時にもう一種式神を出せるだろ?出し惜しみされるのはあまり気分が良くないね」
「加茂さんこそ矢ラス1でしょ。貧血で倒れても助けませんよ」
「心配いらないよ。これらは全て事前に用意したものだ」
言い終えるなり加茂は最後の矢を天井に放つ。
伏黒の目の前に落ちてきた瓦礫で視界を遮り、加茂はすぐさま近接戦へと持ち込む。
伏黒は手持ちの武具で加茂の攻撃を受け止めるが、あまりの衝撃に砕かれてしまった。
(こんなパワーあったかこの人…!?)
「よく反応したね。気を抜くなよ」
続けて加茂が伏黒に攻撃を仕掛ける。
スピードもパワーも、先程までとは桁違いだ。
加茂の術式は赤血操術。
一体何が起こっているのかは彼の術式をよくよく考えてみれば分かることだ。
「ドーピングか!」
「よく気付いた。だが俗な言い方はやめてほしいね」
加茂が血走った目を見開く。
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シバ(プロフ) - 春光さん» ありがとうございます‼︎めちゃくちゃ嬉しいです😭拙い内容かもしれませんがこれからもよろしくお願いします! (2022年4月9日 23時) (レス) id: 23e6976bb8 (このIDを非表示/違反報告)
春光 - 私的に凄い好きな物語でした。◕‿◕。 後編、楽しみです。更新頑張ってください!! (2022年4月3日 15時) (レス) @page49 id: 51abf968eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シバ | 作成日時:2022年3月27日 1時