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「夜蛾はまだかのぉ。老い先短い年寄りの時間は高くつくぞ」
「夜蛾学長はしばらく来ないよ」
声と共に扉が開く。
「嘘のスケジュールを(伊地知を脅して)伝えてあるからね」
五条が何の悪びれる様子もなく向かいの椅子へと堂々と足を組んで座る。
「その節はどーも」
「はて。その節とは」
「とぼけるなよジジィ。虎杖悠仁のことだ。保守派筆頭のアンタも一枚噛んでんだろ」
「やれやれ。最近の若造は敬語もろくに使えんのか」
「ハナから敬う気がねーんだよ。最近の老人は主語がデカくて参るよ、ホント」
すると傍で控えていた京都校二年の三輪霞が口を挟む。
「ちょっと。これは問題行動ですよ。然るべき所に報告させてもらいますからね(ヤッベー!生五条悟!生五条悟だ!)」
「ご自由に。こっちも長話する気はないよ」
(喋っちった!喋っちった!)
学長の手前、厳格な態度を保っているが彼女の心の中は荒れに荒れまくっていた。
「昨夜、未登録の特級呪霊二体に襲われた」
「それは災難じゃったの」
「勘違いすんなよ。僕にとっては町でアンケート取られたくらいのハプニングさ」
(くぅぅ〜カッッケェー!)
「その呪霊達は意思疎通が図れたし、同等級の仲間もまだいるだろう。敵さんだけじゃない。秤に乙骨、そっちの東堂。生徒のレベルも近年急激に上がってる。去年の夏油傑の一件、そして現れた宿儺の器」
「何が言いたい」
「分かんないか。アンタらがしょーもない地位や伝統のために塞き止めていた力の波が、もうどうしようもなく大きくなって押し寄せてんだよ」
彼にとって自ら手塩にかけて育てた生徒がどんどん強くなっていくことは嬉しいことだ。
だが、明らかに彼らの成長レベルは違和感を彷彿させる。
(そして恐らく引き金はクゥシンの存在)
思い出すのは長い間共に過ごしてきた異端児。
そして彼女の中に眠る”何か”。
どう考えてもあの存在が何か関係しているとしか思えない。
「これからの世代が『特級』なんて物差しじゃ測れない。牙を剥くのが
「少しお喋りが過ぎるのぅ」
五条の煽りを受け、楽巖寺の鋭い目線が彼に突き刺さる。
「おー怖!言いたいこと言ったから退散しよーっと。あ、夜蛾学長は二時間くらいで来るよー」
軽快な足取りで颯爽と部屋を出て行く五条。
彼の姿が漸く消えたのを見て楽巖寺がため息をつく。
「三輪、茶を買うてきてくれ」
「はい!」
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シバ(プロフ) - 春光さん» ありがとうございます‼︎めちゃくちゃ嬉しいです😭拙い内容かもしれませんがこれからもよろしくお願いします! (2022年4月9日 23時) (レス) id: 23e6976bb8 (このIDを非表示/違反報告)
春光 - 私的に凄い好きな物語でした。◕‿◕。 後編、楽しみです。更新頑張ってください!! (2022年4月3日 15時) (レス) @page49 id: 51abf968eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シバ | 作成日時:2022年3月27日 1時