4こ ページ5
『うー。じゃあ行ってくるよー』
「頑張ってきてくださいね！」
『ヤオモモーーー！』
最後のハンバーグを口に入れて、そのまま八百万さんに抱きつく。
確か八百万さんは頼れるお姉さん的存在で、『私の癒やしなんだよ』なんて前に言っていたなあ。
Aちゃんはひとりっ子ということもあり、お姉ちゃんが欲しかった、とよく嘆いていた。
熱烈なハグをする彼女の頭を撫でる八百万さんは、まるで本当の姉のようだ。
「ほら、早く行かないと」
「また怒られるよー？」
『は！確かに！美奈ちゃん透ちゃんありがとう！
心見A、行って参ります！』
「行ってら〜」
ピシッと効果音がつきそうなほど勢い良く敬礼をすると、走って教室を出て行った。
相変わらず落ち着きがない。
「それにしても、心見は凄いな」
轟くんは好物だと言う蕎麦を食べる手を止めて、彼女が出ていった扉を見ていた。
凄い、というのは僕も重々承知している。
同じ年ながら、Aちゃんはこれまでいくつもの事件解決に貢献している。
その中には僕らの誰もが知っている程、残虐で冷酷な事件も多数存在した。
それを「平和のためだ」と言って、なんの躊躇いもなく現場に残された遺留品に手をかざすのだ。
人の悪意も殺意も、彼女は一人で背負っている。
「凄いよ。Aちゃんは凄い。
僕なんか、到底追いつけない。」
いつか僕が強くなって、肩を並べられる日が来たら。
君はその重い荷物を半分持たせてくれるだろうか。
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akua(プロフ) - コメントありがとうございます。ラストまで読んでいただいて嬉しいです。きっと来世で彼女は普通の人として幸せになっているはずです。 (2019年4月29日 23時) (
レス) id: 9558b5da00 (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - ラストの方、何度も読んでしまいました。彼女は来世で幸せになっていて欲しいです。 (2019年4月29日 20時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：akua | 作成日時：2018年4月23日 22時
