12こ ページ13
警察が到着する頃には、彼女の力によってココら一帯は警察の張るようなテープで囲まれ、出入り禁止状態になっていた。
まさか普段からこのテープを持ってるの…？
怖い。怖すぎるよAちゃん。
そんな彼女は駆けつけた警官に事細かに説明をしている。
警察の手には先程の黒い袋が握られていた。
中身を確認するために袋の口を解いていく度に仄かに漂う鉄の匂い。
それはその中身を物語っていた。
しかし、不思議なことに腐敗したような匂いはしない。
それどころか相当強かったのだろう、被害者がつけていたと思われる香水の香りが混ざっているようだった。
ということはもしかして、これは…。
「例の事件と関係が…？」
『そうだよ』
「わあ！びっくりした！」
さっきまで警察と話していた彼女は、いつの間にか後から覗き込むようにひょっこりと顔を出していた。
『中は骨と髪、あと爪。例の事件と同じ。
それに仮説通り、快楽殺人じゃない。』
「視えたの？」
『ん。犯人は苦しんでる。痛いほどの葛藤と衝動。もしかしたらコレ、個性の…』
と言いかけたところで、さっきの警官がAちゃんを呼んだ。
彼女は『今行きまーす！』とこの場を後にする。
僕は最後の言葉が妙に引っかかっていた。
快楽殺人ではない。葛藤に、衝動。
殺したくない。でも殺さなくてはいけない。
人を殺さないと、自分が死んでしまうような個性…？
いや、まさかそんなものがあるはずない。
そんなもの個性じゃなくて、ただの呪いじゃないか。
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akua(プロフ) - コメントありがとうございます。ラストまで読んでいただいて嬉しいです。きっと来世で彼女は普通の人として幸せになっているはずです。 (2019年4月29日 23時) (
レス) id: 9558b5da00 (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - ラストの方、何度も読んでしまいました。彼女は来世で幸せになっていて欲しいです。 (2019年4月29日 20時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：akua | 作成日時：2018年4月23日 22時
