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コネシマ、シャオロン共に撤退する理由なしとして今は作戦通り軍を最前線で引き付け続けることにした。
しかしこれは戦争、どちらの部隊も無傷とはいかずに、重傷を負ったものはしんぺい神がいる医療部隊へと送り、軽傷のものはその場に残った。
それでも3割が降伏勧告を受け入れ、中には我々軍に協力しているものもいるため我々軍の数倍規模のX国相手に損害は軽いと言えた。
二人の会話が一瞬途切れた時、両者の無線機から聞きなれた「あー、あー、これ聞こえとる？」といった言葉が聞こえ二人は声を揃えて名を呼んだ。
「ロボロ！」
「あ、聞こえとるね。こっちも二人の声聞こえたわ」
「お前もこっち来たん？今どこおんの？」
「大先生と連絡取れへんから、もう直接お前らと話した方が早い思ってな。多分シャオさんの後方らへんやと思うけど」
「おー、じゃああとで俺の部下そっち見に行かせるわ。なぁ、これってやっぱり基地の通信がやられたん？」
「多分な。そこは大先生が居るし、基地には俺の隊も居るから大丈夫やと思うけど、あんまり悠長にしたくないのも事実や。声的にそっちの状況は切羽詰まってない感じなん？」
ロボロの問いに、二人はそれぞれ場所の戦況を報告する。
それを聞いたロボロは一旦二人と無線機が聞こえるギリギリ後方まで待機し、隊を二つに分けてコネシマとシャオロンの隊の後方から遠距離支援をする方針とした。
異論がない二人が肯定を示すも、コネシマはふと声を低くして今この戦場よりも気になることを共有しようと声をかけた。
「多分やけど、この最前線は多少被害はあっても壊滅されたりはせぇへんと思う。それよりも状況を知らんといけん場所があると思うんやけど」
コネシマの懸念に、シャオロンとロボロはすぐに思い至った。
「…チーノとショッピくんのとこか」
「せや、さすがに俺らだけじゃX国の軍全部を引き付けられとるかまでは分からへん。グルッペンの読み通りAさんの屋敷の方にも攻撃せん理由がない、むしろこっちについたAさんを連れ戻すのに一番有効な手段やろ」
戦争とは、常に自分たちにとって最悪を描き、如何にその事態を回避できるかが勝利に繋がる。
だからこそ、2手先、3手先、それ以上を読めるグルッペンは常にW国に勝利をおさめ続けてきた。
だが、グルッペンとて未来予知ができるわけではなく、全てを把握することなどできない。
隊や兵の甚大な損害や、幹部が重傷になることだって少なくはなかった。
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カラバコの中の子犬(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました…！言葉の使い方や文章がとても品があり、文も読みやすくとても素晴らしい作品です…！！感動しました！！素敵な小説をありがとうございます！更新をお待ちしております！ (2020年12月30日 14時) (
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作者名：乃鴉 | 作成日時：2020年12月23日 19時
