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「ありがとうございます。暫くの間滞在させていただきますので、何かあれば仰ってくださいね」
その言葉に、エーミールは一瞬だけ肩を揺らしAを観察する二人に恐る恐るといった感じで声をかけた。
「えっと…二人ともA様に失礼なことしたらアカンで？」
「心外な。エミさんは俺らが何かやらかすと思ってんすか」
「ショッピくん、ちゃうねん。えっとな、A様に失礼を働くと、もれなくトントンさんとゾムさんが出て来はるから…」
言葉を濁すエーミールの「トントンさんとゾムさん」という単語にAは首を傾げたが、ショッピとチーノはピタッと固まり同時にエーミールを凝視する。
その視線の意味を正確に理解したのだろうエーミールは深く頷いて言葉を続けた。
「トントンさんはもちろんやけどな、主な護衛はゾムさんになっとるから、A様に何かあればゾムさんが飛んでくるで。それにゾムさんも結構A様のこと気にかけとるから」
「あのゾムさんが…」
「え、じゃあゾムさんがいない日は誰が警護するんや？」
「基本的に俺ら幹部の誰かしらと居るか、客室に居ってもらう感じやね。出かけたりする時は大体ゾムさんか暇な人が一緒で、今日はゾムさんが任務やから」
「だからエミさんのとこに居るってことですか」
納得したように頷くショッピとチーノだが、Aはふと疑問に思ったことを口に出した。
「そう言えばゾムさんから明日戻られる方の紹介をしていただくお話となっていましたが、もしかしてお二人のことでしょうか」
「え？」
Aの言葉にエーミールは目を丸くし、瞬時にショッピとチーノを見やると2人は揃って明後日の方向を向いた。
「…2人とも確かすぐにここに来たって言うてたけど、もしかしてトントンさんとこ報告行ってないんか」
エーミールの静かなる問いに、揃って二人がいい笑顔になればエーミールは頭を抱えて蹲ってしまった。
「アカンて…もしかしてトントンさんとコネシマさんが朝から忙しそうにしとったんは二人が原因やんな？」
「大げさっすよ。ちょっと相手の軍の部隊長数人ヤッてきただけですって」
「そうやで！俺もちょっと相手の外交官再起不能にしただけや！」
「君らはすぐそうやって！ショッピくんのは絶対に相手殺してるやろ！チーノくんも外交官に何かしたらオスマンさんやグルッペンが大変なんやぞ！」
「俺らの悪口言うやつの方が悪くないですか？実力を見せつけたまでっす」
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作者名：乃鴉 | 作成日時：2020年6月24日 19時
