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Aに視線で助けを求められた鬱先生は仕方なしとトントンの隣に立って諫める言葉をかけた。
「もうええやろ、トンち。シッマとシャオちゃんも反省しとるし、ゾムやって悪気があったわけやないんやし」
「悪気があったらなお質悪いわ」
「せやけど、楽しかったんやろ?Aさん」
話を振られたAが慌てて肯定すれば、それ以上3人を叱ることを躊躇われたトントンが大きくため息をついた。
お説教の終わりを感じ取り、コネシマとシャオロンがほっと胸を撫で下ろしながら顔を上げるも、ゾムはまだ不服と言わんばかりに機嫌悪そうに口をへの字に曲げていた。
「ゾム」
「…なんや、大先生」
「ゾムが何考えとんのかまだ分かっとらんけど、Aさんに楽しんでほしかったんやろ?」
小さく頷くゾムに、鬱先生は優しく笑いかけながらトントンにまた言葉をかけた。
「な、トンち。確かに内ゲバは危ないかもしれへんけど、例えばAさんが居る場合は獲物禁止とかにすればええんちゃう?」
「お前…何でそっち側やねん」
「やって、俺もAさんにこの国にいる間楽しんでほしいんやもん」
へらりと笑った鬱先生にトントンはぐっと眉根を寄せたが、すぐに息を吐いて「それと、ゾムが傍にいるのが絶対条件」と条件付きで内ゲバへの参加を認めた。
しかし、自分が原因でこんなことになったと感じていたAは内ゲバへの参加を断ろうとすれば。
「あ、あの、私は見ているだけでも楽しいので」
「けど、一緒に居った方が楽しかったやろ」
と、ゾムに言われて何も言えなくなってしまった。
そんな様子に、トントンもとうとう苦笑いを浮かべざるを得なくなって、グルッペンを横目に3人に立つように促す。
「まぁ、今回は怪我もなかったしええわ」
だが、「ただし」と続いた言葉と据えた目をしながら笑んだトントンに、ゾムも含め3人は顔面蒼白になって身を寄せ合っていた。
処分:ゾム、シャオロン、コネシマ
内容:内ゲバにより器物破損と基地内のインクを今日中に片づけ始末書を提出すること
Aも手伝おうとしたが、さすがに巻き込まれたAにそんなことはさせられないと総統含めその場にいた処分者以外の三名が全力で止めた。
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作者名:乃鴉 | 作成日時:2020年6月24日 19時