あったかもしれないセカイの話 ページ13
？？？
目を開ける。空が青い。蝶々がとんでいる。
青と白の花畑。
「ｯ…ここどこ？」
ゆっくりと起き上がるとそこは絵本の世界のような平和な場所で立ち上がると体も軽い
綺麗なとこやなぁ…と、呟いてしまうほど
少し歩くと誰かが花畑の中眠っている
青いワンピースを着た女の子
その瞬間、自分に起きたことを全て思い出す
「ｯ…あ、の子はｯ」
全力で走った
離れないように、離さないように
彼女を抱きしめた
花が舞う、2人を包むようにヒラヒラと
彼女はゆっくりと目を開けて優しく鬱の背中に手を回した
『なんで、ここにいるの』
「ｯそんなんどうでもええｯ!!よかったｯもっかい会えたｯ…!!」
『く、くるしいよ』
彼は泣いていた
嗚咽を零しながら、もう生きたくない、と
「なぁ、俺の名前呼んでｯ」
『…鬱くん？』
「もっかい…ｯ」
『…大せんせい』
きっと、ここで、私が彼を現世に連れて行かなきゃいけない
それが本当のすとーりー
でも、もし
私がこの選択をしていいのなら
もし、許されるのなら
『…ねぇ、私の名前もｯ呼んでｯ？』
私は彼を護る天使になりたくありません。
「ｯAちゃんｯ…Aｯ」
『ｯうん、ありがとうｯ』
「ｯなぁ、Aｯ
もう少し、図々しくなってもｯバチ当たらんよｯ？」
"私の"幸せを望んでいいのなら
『書記長様に内緒で2人でお仕事サボりたいｯ』
「ｯせやなぁ、ええなぁ」
『鬱くんに私のお洋服選んでもらいたいｯ』
「ｯええやん、いこいこ」
『秘密基地で一緒に読書とかしたいｯ』
「ｯおん、もちろんやで」
『このままｯずっと一緒にいたいｯ
鬱くんはなにもしなくていいから
なにもいらないら
明日も隣にいてほしいｯ…』
しにたくなかった。
いきたかった。
あの時開かなくなったドアをこじ開けて
一緒に、逃げたかった
「ｯなぁ、Aちゃん…
約束したやん
この任務が終わったら、俺と結婚してください」
って、忘れてないよね？
(ここにいよう。下の世界なんてしらんわ)
(あったかもしれない、セカイのことなんて)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 318人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和不可狐(プロフ) - ガチで号泣しました、今も泣いてますw素敵な作品、ありがとうございました (2022年10月16日 3時) (
レス) @page14 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - 改めて死というものを考える物語でした 凄く辛いけど夢主がちゃんと現世で生きてというのも分かります。でも番外編の一緒にいたいというのも凄く分かるんです。どちらも間違ってないと思うので自分はどちらの結末も凄く辛くてでも良かったねって凄く感情移入出来ました (2021年5月22日 2時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 久しぶりにガチ泣きしました。大好きです！ (2020年12月14日 18時) (レス) id: ab004e7ea1 (このIDを非表示/違反報告)
かず - 感動しました。悲しすぎます。夢主ちゃんは鬱先生が死なないようにしていたんですね；ー； 我々だの皆さんが鬱先生を大事に思っているんだな、と読んでいて思いました。素敵な作品をありがとう (2020年12月10日 20時) (レス) id: 223fbb8a1c (このIDを非表示/違反報告)
？？？？？ - え普通に泣けました……最後ほんとに鳥肌ものですよ……(( (2020年8月29日 11時) (レス) id: b853d68939 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：惺月
| 作成日時：2019年8月12日 14時
