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「……少し、私の話をしてもいいですか」
あぁ、泣いてしまいそう。
目黒さんを利用して幸せになろうとしていた自分。
翔太くんとの溝を、何かしらの形で埋めようとしていた自分。
そんな自分を殴りたくて。目黒さんに殴ってほしくて。
まっすぐ私を見つめる目黒さんが、儚くて。
でも今は、涙を零さないよう、大きく息を吸った。
「私も、目黒さんみたいに親に反抗するような子供でした。お嬢様とは到底遠い、そんな子でした。顔も見た事がない人と婚約だなんて、私には想像ができなかったんです。そんなときに、私が初めて好きだと思える人に出会いました。」
「………渡辺、翔太」
目黒さんは小さな声で、そう言った。
「やっぱり、知ってましたよね。翔太くんは、私に婚約者がいるって知りませんでした。あくまでも私を、普通の女の子として、接してくれていました。だから父親の言うことより、翔太くんと過ごしたいことを優先して。そうやって、翔太くんを苦しめてました。」
翔太くんのあの笑顔を想像したら、また涙腺が緩む。
「突然、翔太くんに別れを告げられて。母親が元々歌舞伎町に毎日行くような人で、父親も諦めているような人だったんです。小さい頃は、母親も私を愛してくれていたんです。 だから、また、大好きな人に捨てられたんだと思って。家を、抜け出しました。何も考えずに。」
自己中ですよね、私。と付け足すと、目黒さんは首を横に振る。
「そうやって、目黒さんに会いました。…………はい、終わりです」
へへ、と笑ってみせたりした。私なりの、強がりだった。まるで、翔太くんに未練なんてない、と見せつけるように。
「話してくれてありがとう」
と、ぐしゃ、と私の髪を乱す。
「じゃあ、俺の話をしようかな」
そう言って、目黒さんは口を開いた。
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綾音(プロフ) - できる男、目黒蓮。優しすぎて心持ってかれましたっ。素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月29日 0時) (
レス) id: e120810d5e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - sstさん» すごく嬉しいです！ありがとうございます！ 続編もいつか書きたいですのでお待ちいただければ(//∇//) その間は想像しちゃってください笑 (2020年3月14日 20時) (レス) id: c092b599b8 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - パスタ好きのさらさんさん» とっても嬉しいお言葉ありがとうございます！めめなべいいですよね私1番めめなべが好きなんです！笑 続編も書きたいと思ってるので頑張ります！ありがとうございます(；▽；) (2020年3月14日 20時) (レス) id: c092b599b8 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 久々に心がぎゅっとなる小説でした…。めめなべ好きなのでめちゃくちゃ感動です。どなたかコメント乗せてらっしゃいましたが、私も続きが気になります…。是非何かの機会にでも書いてください。今後も応援してます！ (2020年3月11日 2時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - ノアさん» はい。ノアさんの作品をまた読みたいです！ (2020年3月9日 12時) (レス) id: 72e293f127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2020年3月3日 16時
