ワケありくノ一 ページ29
「... ...で、そこは浴場ね」
「ほへー」
トコトコと風花先輩に手を引かれて廊下を歩く。くノ一の教室は庭が綺麗で、何処を見ても優雅さが漂う、お金持ちのお嬢様が行くような感じがした。(実際そうなんだけど)
「... ...私と貴方の部屋はここ。分かった？」
「はーい」
「... ...貴方、さっきから生返事してるわよね？」
「はい」
「はっ倒すぞヒューマン」
「申し訳ございませんでした」
部屋を除くと、生活感のない暗い空間が広がっていた。部屋の中は少し風花先輩と同じ匂いがする。なにかの花の香り。
「布団はもうあるから、汚くしない限りは好きにして頂戴。何か質問があるならおっしゃって？」
ニコリと微笑んだ先輩を見て、じゃあお言葉に甘えて、と”部屋にあったもの“を尋ねた。
「... ...じゃあひとつだけ、あれなんすか？」
ぴっと指をさした先には、壁に突き刺さった赤ちゃんサイズの藁でできた多分人形(形がボロボロになりすぎてもはやなんなのかわからない)があった。皆まで言わせるな。おそらく藁人形(だったもの)である。
「あれ？また新しいの作らないと。お見苦しいのを見せてしまってごめんなさいね」
「え？いやあれなんすか」
「すぐに慣れるから安心して？」
「いやいやいやいや」
そういうこっちゃない。顔の部分に紙が貼ってあるけれど暗くてよく見えない。だけど確実にあの顔は忍たまの誰かだった。
「あれ誰ですか？」
「秘密にしないとおまじないは叶わないでしょ？」
「御呪い(おまじない)... ...」
最近私の周りで体調を壊した人はいなかったような気がする。ではあれは誰なんだろう。と思ったけれど風花先輩の射殺すような視線を向けられた押し黙った。
「... ...世の中にはね、知らない方が良いこともあるのよ」
「oh... ...」
「そう、だから余計な詮索はダメよ」
それ以上聞いたら殺されるかもしれない。そう思って両手でそっと口を塞いだ。
・ ・ ・
「本当に貴方って髪の毛がクルクルねぇ」
「ぎゃんっ」
色々あって今は夕方。食堂に行くための廊下を歩いている。
髪を強く引っ張られて首がつりそうになった。なにすんだと抗議しようと上を向くと、先輩はふっと遠くを見ている。
「先輩？」
「_____や、」
ひくりと先輩の喉が震えた。心なしか体も震えているように見える。
廊下の先には他の忍たまがいる。
「先輩？風花せんp」
「____ぁあああぁ」
_____先輩は完全に目が据わっていた。
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革ベルト
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あずきいろ
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苺たると(プロフ) - 涙腺ゆるゆるにして見てました…。こういうネタ大好きなので嬉しいです！更新楽しみにしてます！ (2020年6月29日 21時) (
レス) id: 4ddd192ae6 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - MadHatterさん» ありがとうございます！この小説を楽しみにしていただけたら幸いです！無理をせずゆっくり書いていきたいと思います！ (2018年3月23日 18時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
MadHatter(プロフ) - ボロボロ泣きながら拝読させて頂きました。続き楽しみにしております。無理だけはなさらないでください。 (2018年3月23日 2時) (レス) id: 17134202e7 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこうどん(プロフ) - ざわさん» ありがとうございます。３月以降から本格的に更新を再開したいと思います。今回は生存報告としての今の現状とお話をあげさせて頂きました。引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4829cee081 (このIDを非表示/違反報告)
ざわ(プロフ) - ドキドキしながら一気読みしてしまいました！ この作品大好きです！素敵な小説をありがとうございます。受験はもうラストスパートでしょうか？お勉強頑張ってください！このコメントが届いているかどうかわかりませんが、心から応援しています...! (2018年2月6日 23時) (レス) id: c9576dec0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かまぼこうどん | 作成日時：2017年7月3日 22時
