42:慰め役の沖田総悟 ページ42
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「おらよ、ポチ。荷物持ち頼みやすぜ」
下駄箱に行けば、総悟が私にスクールバッグを投げつけてくる。
「…は?え?」
私は驚きながらも、スクールバッグを受け止めた。
「おら、何もたくさしてんでィ。ご主人様を待たせるんじゃねえ」
総悟の声に急かされ、私は慌てて靴を履き替える。
その間、暇そうにあくびをしながら私を見ていた。
「せっかくだ。ファミレス行きやすぜ。もちろんお前の奢りな」
靴を履き終えた私を確認すると、そのままスタスタと昇降口を出る総悟。
「え?!えぇぇぇ?!私に奢らせるために、下駄箱で待っていたの?!」
総悟のスクールバッグと自分のスクールバッグを持ち直しながら、私はその背中を追いかけた。
「あったりめーだろィ。何勘違いしてやがる」
「いや…別に勘違いなんてしてないけど…」
でも、良い気分転換になるかもしれない。
晋助の過去を気にしても、それは本人しか分からないし。
「(何より、深く突っ込んではいけない内容だよね)」
ここで悶々としてたって意味がない。
「えへへへ。ありがとう、総悟」
「…なんだ、そんなに奢られるのが嬉しかったのかィ。なら、これからずっと…」
「あっ、結構です」
そんな会話をしながら、2人でファミレスへ向かう。
その間、やれ太っただ。やれ肌荒れしてるだ。とうるさかったけど。
*
「なんでィ。高杉より銀時の旦那に惚れやした?」
熱々のチーズグラタンをふーふーしながら食べる総悟。
伸びるチーズがとても美味しそう。
「え?違うよ。ちょっと…気になることがあっただけで。」
総悟は、ふーんと言いながら、チーズグラタンをまたスプーンですくった。
そして、私の目の前に差し出されるチーズグラタン。
「…ん。今日だけは、慰め役になってやらァ。」
私は総悟に目を向け、そのままパクッと食べる。
「美味いか?」
「うん、美味しい!」
そう言った直後、あまりの辛さに口から火を噴いた。
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クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時