40:晋助と銀時の関係 ページ40
.
「あ、晋助。おかえり。」
私はテレビを消し、晋助の前に立つ。
「…あァ。」
晋助はそれだけ言うと、私の横を抜けてソファに腰を下ろした。
「お前…銀時に会ったのか?」
「え…う、うん」
「なんであいつに会った。もともと面識はあったのか?」
「えっと…銀時に会ったのは、話したいことがあったからで、
面識はなかった。転校してきた日に、銀時と下駄箱で偶然会ったのが最初だよ。」
矢継ぎ早に飛んでくる質問。
戸惑いながらも、私は一つ一つ答えた。
「…そうか。悪かったな、突然。」
小さく息を吐きながら、髪の毛を掻いた晋助。
私はそっと晋助の隣に腰掛けた。
「…ねぇ、晋助と銀時って…どういう関係?」
思っていた疑問を口にする。
晋助は私の方に目を向けると、押し黙った。
「(聞いちゃダメ、ってことか。)」
なんでもないと言おうとした矢先、晋助が口を開く。
「…あいつとは、銀時とは…、喧嘩別れしたままなんだ。」
肘掛に頬杖をつきながら、そっぽを向いてぽつりと話してくれた晋助。
私は、ただ耳を傾けていた。
仲直りしないの?なんて、聞こうと思わなかった。いや、聞けなかった。
「…A。お前は、手放したくないと思った人はいるか?」
「…うん。」
…この先、晋助が何を言うのか、察しがついた。
「簡単に言うと、その人を巡って銀時と喧嘩別れした。」
心臓がぎゅっとつかまれるように痛い。
晋助は、そっぽを向いたまま微動だにしない。
私も、動くことができなかった。
私が想像する、晋助と銀時の関係。どうか、勘違いであって欲しい。
「(…好きな人を巡って、喧嘩別れしたの?)」
それ以上話したくないのか、晋助は静かに席を立って台所へ向かう。
食いたいものはあるか?といつものように答える晋助に、私は何も言うことができなかった。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時