35:それは前兆と急変 ページ35
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「(はー。散々だった…。でも、楽しかったな。)」
ただいまー。と声をかけながら、私は息を吐いた。
ポタポタと聞こえてきた水音に違和感を持ち、台所を覗く。
「?」
シンクから水は漏れていない。
もしかして。と思い、お風呂場に向かった。
脱衣所にあるカゴの上に乗った晋助のシャツ。
お風呂場からシャワーの水音は聞こえない。
「晋助、入ってる?」
声をかけてみたものの、返事はない。
「(シャワーの栓がゆるいのかな?)」
私はお風呂場のドアを開けた。
「晋助!」
お風呂場で倒れてる晋助の姿が目の前にある。
そして、うっすらと赤く染まっている液体。
私は近くに置いてあるタオルを取り、晋助の体を覆った。
目から血が流れ出ている。
とりあえず応急処置をしようと、私は晋助の腕を自分の肩に回した。
「(洋服と…あと、新しい眼帯を出さないと。)」
晋助をソファの上に寝かし、私は晋助の部屋の前に立つ。
少し間を置いて、失礼します。と小さく呟きながらドアを開けた。
クローゼットから洋服を取り、テーブルに置いてある新しい眼帯を手に取る。
その時、茶封筒の側に一枚の手紙があることに気が付いた。
それは、銀八先生が晋助宛てに送った茶封筒。
ふと目に入ったキーワードは、とてもじゃないけど平和なものじゃなかった。
「って、それより晋助!」
私はドアを閉めると、晋助を寝かせたソファの元に向かう。
晋助の目の上に乗せたタオルは、真っ赤に染まっていた。
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クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時