30:転入生の坂田銀時 ページ30
.
「なぁ。3年Z組ってどこだ?」
目の前に現れたのは、まるで銀八先生を少し若くしたような男。
「…あの、銀八先生?自分の担当クラスも忘れたんですか?
というより何故その格好…?」
私がそう言うと、目の前にいる男はチッと大きく舌打ちした。
「誰が銀八だ、俺は坂田銀時だっつーの。
あんな税金ドロボーと一緒にすんじゃねぇ。」
ガシガシと頭を掻く銀時は、額に青筋を立てている。
声もそのリアクションも、完全に銀八先生そのもの。
世界には自分と似た人間が三人いると言われるくらいだ。
銀時も、それと同じ他人の空似なのだろう。
「すみません。私は、星野Aと言います。
3年Z組に案内しますね。」
私は階段を登り、一番奥にある廊下を突き進んだ。
3-Zと下がっているプレートが近づく度に聞こえる怒号と喧騒。
ちらりと後ろにいる銀時に目を向ければ、なんてことないような態度で歩いていた。
「…あの、ここです。」
教室のドアを指すと同時に、それが思いっきり吹き飛ぶ。
ポニーテールに結った女子生徒が、ゴリラのような男子生徒を延々と殴っていたせいだった。
「おー。Aちゃん、わざわざ転入生を案内してくれてたの?
随分と優しいねー。」
そう言ったのはレロレロキャンディーを口に含みながら、ジャンプを読んでいる銀八先生。
ちらりと隣にいる銀時に目を向ければ、忌々しそうに顔を歪めた。
「先生ー!先生が二人いまーす!」
そう言いながら手を挙げたのは、赤いメガネをかけている女子生徒。
豊満な胸に思わず目がいく。
「はーい。この子は先生なんかじゃありませーん。
先生はここまで髪の毛ふわふわしてませーん。」
私は銀時に憐れみの目を向けた。
「よーし。Aちゃん、昼休みはこいつの学校案内頼まァ。」
今度は、私が銀時に憐れみの目を向けられた。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時