27:理解できない言動 ページ27
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その時、資料準備室に鳴り響くチャイムの音。
予鈴だ。
「げ。沖田のせいでお弁当食べ損ねた…。」
心の中で呟いたはずの台詞が、見事口に出ていた。
あっ。と気がついた時にはもう遅い。
カチっと閉じられた首輪に、ジャラっと鳴る鎖。
「よーし、良い子だなァ。ポチ。」
そう言いながら顎の下を撫でる沖田。
最悪だ…。
鎖を引っ張ろうとする沖田に、私は最後の抵抗を見せた。
首の骨が悲鳴をあげようが、そんなの関係ない。
好奇の目に晒された痛い視線より、こっちの首の痛みの方がまだマシだ。
「おィ、早く来やがれポチ。」
「ぜーったいに嫌!」
黒革の首輪はなかなか丈夫にできているため、簡単には外せない。
「なら、高杉のこと好きだってバラしても良いんですかィ?」
沖田の台詞に、私は一瞬ひるむ。その隙を狙って、沖田はグイっと首輪の鎖を引いた。
その瞬間、コケた私にぶつかって下敷きになった沖田。
「こりゃ獣らしいや。」
沖田は私の頬に手を這わせ、首筋をそっとなぞる。
思わず顔を歪めた私。対する沖田は、ある一点を見つめていた。
「…へェ。」
カリッと引っ掻くように、私の首に爪を立てた沖田。
「(…まさか!)」
慌てて首筋に手を当てがう。
ちらりと沖田を見れば、楽しそうに笑っていた。
「こりゃ、高杉と熱い夜を過ごしたんでしょうねェ。
犬の分際で。」
グイっと引っ張られた鎖。
それに比例して、近くなる私と沖田との距離。
「どうやらポチは、"シーズン"を迎えたらしいな。」
−なら、俺とも相手してくだせェ。
そう言った沖田は、私に向かって微笑む。
そして私の首筋に顔を近づけた。
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クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時