26:誤魔化した距離感 ページ26
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「…。」
自分の太ももに当たる沖田の膝。
距離の近さに少しだけ離れようとすると、がっちりと腕で首をホールドされた。
「おィ。何勝手に離れてるんでィ。」
「イタタタ!距離が近いから−」
ギチギチと首の骨が軋む。
息苦しさのあまり顔を上げれば、沖田の赤い瞳と視線が絡み合った。
何を思ったのか、顔を近づける沖田。
私は、持っていたおにぎりを沖田の口の中に突っ込んだ。
「おィポチ。」
沖田は口の中に突っ込まれたおにぎりを取り、それをお弁当の上に置く。
そして、ギチギチと私の首を強く締めた。
「い、痛い…!死ぬ…!」
「ご主人様に刃向かうたァ、ずいぶんと良いご身分のようでィ。」
待って、これ本当に苦しい。
「『ごめんなさい、ご主人様』と言いやがれ。」
「待っ…て、無理…!」
私はなんとか沖田の腕の中から抜け出し、酸素を思いっきり吸い込む。
しばらく深呼吸を繰り返すと、私は少しだけ距離を空けて沖田の隣に座った。
その瞬間、沖田に両頬を握られる。自然と唇が突き出るのをどうにかしたい。
「ポチのこの口は、ただのお飾りですかィ?
ほら、言ってみなせェ。…じゃねーと、分かってるよな?」
「ぎょ、ぎょめんなはい。ぎょひゅひんはま。」
私がそう返すと、沖田は満足そうに微笑んだ。
「…なら、傷付いた俺の心を癒せ。」
そう言った瞬間、グイッと私の方に身を乗り出す沖田。
私はそのまま後ろに倒れるしかなくて。
これ以上沖田がこっちに来ないように、私は腕を伸ばして無理やり距離を空けた。
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クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時