3:サディスト・沖田 ページ3
.
「あ、おィ。ポ−」
「いぎゃァァァァ!」
下駄箱前で、偶然すれ違った沖田。
ポチなんて言うから、私は奇声を発しながら沖田の手を取って人気のない階段に連れ出した。
「おィおィ。名前を呼ばれたら、ワンと返事してくだせェ。」
ゼーハーゼーハー息を切らす私に、沖田は淡々と答える。
私はバッと、沖田さんの方を向いた。
「『よろしくなポチ。』ってそういうことだったの!?
その名前で呼ぶの!?」
「当たり前でさァ。
恥ずかしいだろうなー、知り合いの前で『ポチ』と呼ばれるなんて。」
ニヤニヤと黒い笑みを浮かべる沖田。
こいつ、とんでもないサディストだった。
「あ、それとも雌犬の方が良かったですかィ?」
びっくりするほど、その笑顔がとてもイキイキしている。
私は、これほどまでに自分の大失態を恨んだ日はなかった。
私が口を開くと同時に鳴り響く予鈴。
「いぎゃァァァァ!一時間目体育だ!」
私は沖田をその場に置いて、そそくさと教室に向かった。
*
「随分と元気ないねー、どうしたの?」
体育の授業中。
タイムマシーンを探していたら、ふとクラスメートに声をかけられた。
「青い猫型ロボットって作れないかな?と思って。」
「は?」
目を見開くクラスメートに、私は乾いた笑みを返す。
「いや…なんでもないよ。…ただ、やり直したいことがあって…。」
その時に、ふと感じた視線。
そちらに目を向ければ、サディスト・沖田がこちらを見てほくそ笑んでいた。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クルルモンキー - クッ!敵わぬ!どうしても鼻血がッ! (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5f81d4602a (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - narutokun0531さん» ありがとうございます!これからもっとドSっぷりを披露していきますね! (2017年9月11日 1時) (レス) id: ceb1c5f540 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - すごく面白いです、総悟のドSっぷりがたまりませぬっっ!! (2017年9月9日 0時) (レス) id: b0e0a6ed6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜月 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sakura_duki3
作成日時:2017年9月3日 20時