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「え、まだ吉沢くんと会ってるの?」


『うん。前同窓会に呼ばれてね、それからずっとかな』



Aと飲み始めて一時間くらい経ったとき、彼女が吉沢くんの名前を口にした。
この前会ったときに二人が会ってるってことは聞いていたけど、Aには知らないふりをした。

それにあの時、吉沢くんに結構弱音を吐いたような気がするし。
Aのことも彼に話してしまったから、反射的にだけど嘘ついてよかった…

なんて一息ついたのもつかの間、Aが発した言葉に今度は本当に驚く。



「告白された!?」



わりと大きめな声で叫んでしまった。
うるさいうるさい、と慌てて口を手で塞がれる。

吉沢くん、ついに告白したか…
高校の頃からずっと好きそうだったけど、あの子まさかこんなに一途だったとは。

半分感心しながら、塞がれた手を剥がした。



「Aは吉沢くんのことどう思ってるの?」


『いや、どうって言われても…』



まさか何も思ってないってことはないでしょ。
さっき、倫也くんのことはもう大丈夫だって言ってたし。
Aって鋭いようで鈍いからなぁ…

考え込んでいた彼女は呟いた。



『…ふみと、裕貴と同じ感じ』


「というと?」


『行かないで…みたいな?』



やっぱり。
こういうの久しぶりだから、何だかニヤニヤする。



「Aってやっぱり鈍いわ」



.



あれから、ひたすら仕事に没頭する毎日だ。

もう先生には会えない。会える訳ない。
忘れてしまいたいとさえ思っている。


好きだと伝えるつもりは一切なかった。
でも気付けば無意識に言葉が溢れていた。

あの瞬間の先生の顔が脳に焼き付いて、嫌でも思い出してしまう。


あの時伝えなければ。
あの日会いに行かなければ。
…先生と、出会っていなければ。

どれだけ想像したとしても現実は何も変わらない。
だから余計に辛くなる。


なんで俺は、こんなにも報われない想いを募らせてしまったのだろう。

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那奈(プロフ) - 続きがめっちゃ気になる!!大変だと思いますが更新頑張ってください!! (2020年4月16日 15時) (レス) id: 4a3fdbf345 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月7日 18時

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