子供のまま、痛いまま【吉沢亮】 (ページ14)

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次の日の朝、学校に来た瞬間に保健室へと駆け込んだ。
ふみに謝れば、Aは何も悪くないよ、なんて言って笑ってくれた。

授業が終わった後話しかけてみても、吉沢くんはいつも通りだった。

昨日、本当にあんなことがあったのか疑問に思うくらいで、それからは平穏な日々を送っていた。

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月曜日は開校記念日で休みで、今日は三連休の二日目。
昨日は一日中家でゴロゴロしていたから、映画でも観に大型ショッピングモールに行こうと計画した。

関東はもうとっくに梅雨入りしていて、湿気を含んだ風が吹き、下ろしていた髪は首に張りつく。
その不快感を予想して、普段はしないけれど髪を纏めて留めた。
こうすると、ヘアアイロンをかけるのは前髪だけで良くなって、かなり楽だ。

久しぶりに車を運転する。
何日も降り続けている雨は止みそうもなく、ワイパーは一定のリズムで動き続けた。

車のエアコンは少し効きすぎていたけど、これくらいがちょうど良かった。

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映画館に入り、暫く椅子に座っていたら、天井のライトはゆっくりと消えて暗くなる。

久しぶりの感覚に、気分が高揚した。

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面白かった……

最近話題になっている作品。
前から観たくて、最近はこれのために働いていたほど。
見終わってからも、ずっと余韻に浸っていた。

お昼ご飯を済ませて、服を買おうとぶらぶら歩く。
正直拘りとかはなくて、安かったら何でも良いや位の気持ちでいる。
そんな適当さで、気になったお店に出たり入ったりを繰り返していた。

少し休憩しようと、フードコートで飲み物を買い、席に座る。

「あれ、立花先生？」

『え？』

後ろから先生と呼ばれて振り返る。
そこには、神木くんがいた。

『お、神木くん』

「亮と遊びに来てて。先生は？」

『映画を観にね。あれ、その吉沢くんは？』

「今、飯買いに行ってくれてます」

私の向かいに来て座り、私の後ろを見て笑った。

「噂をすれば、だな」

「あ、隆…と、A先生？」

『ふふ、こんにちは』

トレーを持って、なんで？と固まっている吉沢くんを見て笑ってしまう。
荷物を置いて、そのまま吉沢くんは私の隣に座った。